フランスやイタリアでのポピュリスト政党の台頭が、欧州で長く忘れられていた懸念をよみがえらせつつある。単一通貨ユーロの採用国が通貨統合を離脱すれば、ソブリン債がユーロ導入前の自国通貨建てに戻りかねないからだ。

  こうした懸念は、ギリシャの財政問題に端を発したユーロ圏債務危機の深刻さをあらためて思い出させるものだ。今再び焦点となりつつあるのは、デフォルト(債務不履行)に備えた一種の保険であるクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の決済を引き起こす信用事由(クレジットイベント)と、ソブリン債再編を円滑に行うことを意図した債券契約書の文言だ。

  JPモルガン・アセット・マネジメントの金利責任者デービッド・タン氏は「途上国で見られるような、こうした契約条項を考えることにわれわれは慣れていない」と述べた上で、それでもユーロ採用国の「自国通貨回帰リスクは高まっている」と指摘した。

  フランス10年国債のドイツ国債に対する利回り上乗せ幅(スプレッド)は10日終了週、2012年以来の水準に達した。イタリア10年債のスプレッドは14年以来の大きさ。

  ピクテ・ウェルス・マネジメントのユーロ圏担当エコノミスト、フレデリック・デュクロゼ氏(ジュネーブ在勤)は「イタリアもしくはフランスがユーロから離脱するとのリスクは全くもって織り込まれていない。もしリアルな可能性に転じたら、価格の見直しは大規模となる公算が大きく、資本逃避の脅威が著しく高まり、特に銀行セクターに極めて悪い影響を及ぼすだろう」と話した。

原題:Le Pen Stirs Dormant Re-Denomination Risk for Europe’s Investors(抜粋)

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