2月4週(20-24日)の日本株相場は方向感の乏しい展開が続きそうだ。トランプ米大統領の税制改革案をめぐる不透明感などから為替市場で円安が進みにくくなっており、企業業績の上積み期待が膨らまず上値を買いにくい。ただ、米経済の強さに加え、堅調な業績から投資家の押し目買い意欲は旺盛とみられ、大きな下げも見込みづらい。

  トランプ大統領が近く明らかにするとしている税制改革案が、マーケットの不確実要素として警戒されている。第4週に移民に関する新たな大統領令に署名する方針で、保護主義的な姿勢が意識されそう。米金融当局がタカ派的な姿勢を見せたことで早期利上げ観測が高まっているが、為替市場は円安方向への反応が鈍く、投資家は慎重な姿勢だ。

  一方、米経済指標は明るい材料となりそうだ。22日に発表される1月の中古住宅販売件数は市場予想で前月比1.1%増が見込まれている。15日に発表された消費者物価指数や小売売上高は事前予想を上回っており、再び米経済の強さを確認できれば自動車や素材、機械といった景気敏感株などの上昇を後押しするとみられる。

  堅調な企業業績は相場の下支え要因だ。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の集計では、東証1部3月期決算企業(金融除く)の2016年4-12月期経常利益は、発表済み企業数99.8%の段階で通期計画(11月末時点)に対する進捗(しんちょく)率が84%と、05年度以降の平均77%を上回っている。クレディ・スイス証券によると、シクリカル株の会社側の今期純利益予想は平均で9%上方修正された。第3週の日経平均株価は前週末比0.7%安の1万9234円62銭と、2週ぶりに反落した。

<<市場関係者の見方>>
SMBC信託銀行の山口真弘シニアマーケットアナリスト
  「米税制改革案待ちでドル・円相場がこう着し、日本株の方向感も出にくいだろう。閣僚人事の議会承認の遅れもリスク要因で、それまでは円高への警戒がくすぶる。日本株は日本銀行の上場投資信託(ETF)買い入れ、企業業績の再評価で海外勢の買いが見込まれる一方、年金のポートフォリオリバランスや個人投資家の戻り売りが上値を抑制する。日経平均株価は1万9000-1万9500円のレンジ相場となりそうだ」

アストマックス投信投資顧問の山田拓也運用部長
  「トランプ大統領が署名する入国制限の新たな大統領令がリスク要因として警戒される。税制改革案については、株価は期待を織り込んでおり、満額回答でなければ失望する恐れがある。米国株の堅調や欧州政治リスクが膨らまないことが日本株高の条件だが、米国株は割高感から目先上昇が一服しそう。ただ、昨年11月からの上昇相場に乗り遅れ、押し目を買いたい投資家は依然として多い」

あすかアセットマネジメントの平尾俊裕社長
  「トランプ大統領のドル高けん制発言への警戒は根強く、ドル高・円安が進みにくい。海外投資家の大幅な買い越しが続いていただけに、為替が動かないなかでは利益確定売りが出やすい。20日に発表される日本の貿易統計で前回のように大幅な黒字となった場合、トランプ氏から動きが出るか注意が必要。日本の企業決算や景気は悪くなく、株価に割安感もあるため相場はもみ合いそうだ」

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