来週の債券市場で長期金利に低下圧力がかかりやすいと予想されている。日本銀行が国債買い入れオペを通じて金利上昇抑制姿勢を強めていることが背景にある。

  メリルリンチ日本証券の大崎秀一チーフ金利ストラテジストは、「10年に関しては取りあえず日銀が必死で抑えるということが確認されているので、日銀がターゲットを変えない限りは0.1%の上限が意識され続ける」と指摘。一方で、「リスクとしては、米国の3月利上げが織り込まれることや、20年債入札がある」とみる。

  今週の新発10年物国債345回債利回りは0.09%で開始。14日の5年債入札を無難に通過し、底堅い展開が続いたが、米金利上昇に連れて15日は0.10%まで売られる場面もあった。その後は日銀のオペを背景に金利上昇は抑えられ、週後半には一時0.085%まで買い戻された。

過去の日銀オペの結果はこちらをご覧ください。

20年債入札

  財務省は23日に20年利付国債の価格競争入札を実施する。発行予定額は1兆1000億円程度。21日には投資家需要の強い既発国債を追加発行する流動性供給入札を実施。対象は残存期間5年超15.5年未満の銘柄で、発行予定額は5000億円程度となる。

  岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、「3月期末が接近している上、トランプ政策の不透明感もあり、積極的な参加者が少ない中での20年債入札には警戒感もあるが、長期・超長期ゾーンは日銀が金利上昇を抑える姿勢を明確にしているので、そんなに問題ないのではないか」と見込む。

米連邦準備制度理事会
米連邦準備制度理事会
Bloomberg

  米国では21日に金融当局者の講演が相次ぐほか、22日に連邦公開市場委員会(FOMC)議事録が公表される。イエレン連邦準備制度理事会(FRB)の議会証言での発言を受けて、利上げ期待が一段と強まり、14日には米10年債利回りが一時2.52%と1月27日以来の水準まで上昇した。

市場関係者の見方

*T
◎メリルリンチ日本証券の大崎秀一チーフ金利ストラテジスト
*超長期が荒れるようであれば、今月の残存10年超のオペ回数を増やす可能性ゼロではない
*20年入札を無難に通過すれば、月末のエクステンションが2月は結構あり、金利は抑えられる
*長期金利の予想レンジは0.06%~0.10%

◎T&Dアセットマネジメント債券運用部の泉功二ファンドマネージャー
*10年利回りは0.1%上抜けることあっても、日銀オペ対応が控えている以上、すぐに戻るだろう
*20年入札、足元の状況だとそれなりにうまくいきそうだ
*長期金利の予想レンジは0.05%~0.10%

◎岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジスト
*超長期債は引き続き不安定な動きを続けそうだが、10-20年が拡大し押し目買いに動く人も。20年入札それほど警戒していない
*長期・超長期債は日銀が金利上昇を抑える姿勢を明確にしているので、それほど不安はないのではないか
*長期金利の予想レンジは0.08%~0.11%

◎アムンディ・ジャパンの浜崎優市場経済調査部長
*米トランプ政権となり、良い材料と悪い材料が一通り出て落ち着いてきた感じ
*米国株が走っている一方、日本株はあまり振り回されていない。ドル・円相場も落ち着き、国内の長期金利は方向感が出にくい
*長期金利の予想レンジは0.07%~0.12%
*T

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