欧州諸国などは米国から何らかの言質を得たいと期待していたのかもしれないが、実際に受け取ったのは北大西洋条約機構(NATO)への最後通告と、イスラエル問題で長年維持してきた立場を放棄することも辞さない姿勢だった。

  マティス米国防長官はブリュッセルで開かれたNATO国防相理事会で、加盟国が軍事費負担を増やさない限り、米政権は欧州防衛の約束を縮小する用意があると警告した。ワシントンではトランプ米大統領がイスラエルとパレスチナの和平実現について「2国家共存」の解決法にこだわらない考えを示した。歴代の米政権が続けてきた外交政策から距離を置く大統領の姿勢は、中東和平プロセスに混乱を招く可能性がある。

  ドイツのボンで開幕した20カ国・地域(G20)外相会合では、トランプ政権が示唆した米国の政策転換について参加者の間に驚きや動揺の声が上がった。ティラーソン米国務長官は就任後初の国際舞台としてG20に出席したが、ロシアのラブロフ外相との初会談はぎこちなさが目立った。

  アルゼンチンのマルコラ外相はボンでインタビューに応じ、中東和平プロセスへのトランプ大統領の発言に驚かされたと述べ、「この発言の背後に何があるのか分からない」とコメント。「長年の政策だ。今後どう展開するのか予想できない」と語った。

  AFP通信の報道によると、フランスのエロー外相は記者団に対し米国の新たな姿勢について「極めて困惑しており、憂慮している」と話した。

原題:G-20 Responds to U.S. Warning to NATO and Shift on Israel (1)(抜粋)

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