トランプ米大統領は就任前に、米国防総省にとって最大規模の兵器調達プログラムであるロッキード・マーチン製の最新鋭ステルス戦闘機「F35」計画について、担当する米空軍中将に異例の電話を2回かけていた。そのうちの1回は、ロッキードのライバル会社、米ボーイングのデニス・ムーレンバーグ最高経営責任者(CEO)の耳に入る状況で行われた。

  3790億ドル(約43兆円)規模のF35計画は「制御不能だ」と再三にわたり批判していたトランプ氏は、1月9日と17日にクリス・ボグダン空軍中将に異例の電話をかけた。2回目の電話の際には、ムーレンバーグ氏が会談のためトランプ氏のニューヨークのオフィスにいた。ムーレンバーグ氏が率いるボーイングは、F35の代替になり得るとトランプ氏が示唆した戦闘機を製造している。電話について知る関係者2人が匿名を条件に語ったところによると、ムーレンバーグ氏は当時、驚いたように見えたが、電話を聴くことはできたという。

  ボグダン中将は16日にF35に関する議会公聴会後に記者団に対し、トランプ氏について「極めて単刀直入な電話だったと思う。トランプ氏は学ぶ姿勢だったため、多くの良い質問をした」と説明。ムーレンバーグ氏が電話を聞くことは「不適切ではなかった」とも述べ、「自分が話したことは明らかに公表できる情報だった。私は規則を理解している」と付け加えた。

  関係者によると、ボグダン中将はトランプ氏と話した後、電話でのやり取りについて1月10日と18日付の2件の「公用」文書を作成。ボーイングの戦闘機「スーパーホーネット」の性能やF35にどう対抗できるかなどトランプ氏が質問したことを記した。

  ムーレンバーグ氏は1月17日にトランプ氏との会談後に記者団に対し、「エアフォースワンと戦闘機について話し合った。幾つかの素晴らしい進展があった」と語っていた。ボーイングの広報担当者は電子メールで、トランプ・タワーでの会談後に「ムーレンバーグ氏が記者団に語ったことに追加することは何もない」とコメントした。

  ロッキードはコメントを控えた。ホワイトハウスに取材を試みたが返答はない。ブルームバーグ・ニュースはボグダン中将の文書を情報公開法に基づいて提供するよう要請したが、中将の広報担当は応じなかった。

原題:Trump’s F-35 Calls Came With a Surprise: Rival CEO Was Listening(抜粋)

最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE