雪の降らないクリスマスが3年続き、このところスイスの一部スキーリゾートは12月よりも7月の方がもうけが多くなっている。だがハンス・グリューター氏はそれで全く構わない。

  銀行の元幹部で引退したグリューター氏は現在、ベルグバーネン・エンゲルベルク・トリュブゼー・ティトリスの株式を約11%保有。同社はティトリス山(標高3238メートル)の麓に広がるスイスの数少ない上場スキーリゾートの一つを運営している。

  ここ1年半、ベルグバーネン・エンゲルベルクではスイス・フラン高や中国人旅行者へのビザ発給制限の厳格化、年末年始の雪不足が影響し利益が減少しており、株価も好調といえる水準からは程遠い状況に見える。だが、このエリアに別荘を保有するグリューター氏は長い目で見ている。株価は、同氏が初めて購入した2009年と比較して3倍になり、同氏の保有分の価値は約2300万フラン(約26億円)に膨れ上がっている。

  グリューター氏は「最初は善意に近い気持ちからベルグバーネン・エンゲルベルク株を購入したわけだが、それ以降、何倍にも増えた」と指摘。「ウィンタースポーツの施設運営は費用が掛かる。夏の方が利幅が大きい」と話した。

  こうした考え方にはベルグバーネン・エンゲルベルクのノーベルト・パット最高経営責任者(CEO)も同調する。ウィンタースポーツは売上高全体の半分強を占めるものの、利益の面では35%程度に過ぎない。残りはスキーとは関係のない海外からの夏季の旅行者や登山客などによるホテル宿泊や食事、リフト券、マウンテンバイクのレンタルなどだ。

  ベルグバーネン・エンゲルベルク株は09年末から17年1月31日までに配当を含めたベースで465%上昇。年間リターンは平均28%となっている。  

  域内の他のリゾートオーナーが頼りにならない積雪にいら立ちを募らせ持ち株を売却する中、グリューター氏と妻はベルグバーネン・エンゲルベルク株の保有を着実に増やしている。昨年は3000株を追加購入、今後も機会を狙って買い入れを続ける考えだ。

  グリューター氏は経営陣が事業に関して「非常に長い目で見た」戦略を維持していることは好ましいと考えている。「それは必要なことだよ。目先だけ見ていてはうまくいかない」と語った。  

原題:This Swiss Ski Station Makes More Money When No Snow Falls (1)(抜粋)

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