米国人が至る所で多大なストレスを抱えていることが、心の不安度を測る米国心理学会(APA)の調査結果に表れた。

  APAは10年前から米国のストレス事情について調査を実施しており、金銭、仕事、経済がストレスの三大要因であるとの結果を通常は報告してきた。これら要因が現在の国内のムード形成に一役買っていることは明らかだ。若年層は学資ローンを、年配者は退職を、そして年齢を問わず皆が次世代の経済展望を懸念しているもようだ。調査では、年収5万ドル(約570万円)未満の米国人のストレス水準は、年収がそれ以上の米国人よりも高いことがわかった。

  APAの調査は、過去10年間にかけて米国人の抱えるストレスが総じて小幅に減少していること示していた。

  だが昨年の大統領選で変調が起きた。選挙戦が患者の新たなストレス源になっていることにAPA会員らも気付き始めた。APAは昨年8月実施の年次調査に選挙関連の設問を加え、10月に結果を公表。支持政党に関係なく、米国人の52%と過半数以上が選挙を不安視していると回答した。

  これを受けてAPAが先月、トランプ大統領就任直前に実施した追加の調査の結果は芳しくなかった。

  APAは15日の結果報告で「2017年1月調査の結果では、調査開始の2007年以降で初めて統計的に有意なストレスの増加が認められた」と指摘。調査はハリス・ポールが1月5日から19日の間、米国に住む成人1019人を対象に実施した。
  
  米国人のストレスは1月に、近年で最も個人攻撃が横行した選挙戦が繰り広げられていた8月の水準を上回った。現在の政治情勢がかなりの、またはいくらかのストレス源になっていると調査対象の過半数(57%)が回答した。APAの調査担当ディレクター、ベイル・ライト氏は、急速に展開する数々の出来事、特に現在の政治情勢を巡る不透明性が、共和党支持者を含む全ての米国人にとってストレス要因になっていると指摘した。

原題:Americans Just Broke the Psychologists’ Stress Record(抜粋)

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