フォートレス・インベストメント・グループは、株式公開したプライベートエクイティ(PE、未公開株)投資会社の草分け的存在だが、今度は同業他社に先駆けて買収を受け入れることになった。

  ソフトバンクグループは14日、他の投資家と共同でフォートレスを約33億ドル(約3760億円)で買収することで合意したと発表。2007年の株式公開後、世間の厳しい目にさらされながら株価下落や不安定な運用成績を乗り切ってきたフォートレスの10年は、今回の買収で節目を迎える。

  JMPセキュリティーズのアナリスト、デビン・ライアン氏は15日の電話インタビューで、「ソフトバンクが最近の取引価格を著しく上回るプレミアムを支払う事実は、公開市場が現時点で払ってもよいと考える価格をはるかに上回る価値が存在することを示している。彼らは支払う価格の対価として大きな価値を手に入れようとしている」と指摘した。

  2007年2月のフォートレスの上場は、オルタナティブ資産投資会社の新規株式公開(IPO)時代の先駆けとなった。米投資会社ブラックストーン・グループが4カ月後、ヘッジファンド運営会社オクジフ・キャピタル・マネジメント・グループも同年中に株式を公開。KKRやアポロ・グローバル・マネジメント、オークツリー・キャピタル・グループ、カーライル・グループなどがこれに続くことになる。

  しかし金融危機の影響で、フォートレスはブラックストーンやオクジフ同様に株価急落に見舞われた。IPO価格が18.50ドルだったフォートレスの株価は、上場から数週後に37ドルの高値を付けるが、08年12月には77セントまで下がった。今月14日の終値は6.21ドルとIPO価格を66%下回る水準。マクロヘッジファンドの運用不振に伴い、15年にはマイケル・ノボグラーツ氏が運用していたファンドの閉鎖に追い込まれた。

  キーフ・ブリュイエット・アンド・ウッズ(KBW)のアナリ スト、ロブ・リー、アン・ダイ両氏は14日の顧客向けリポートで、「フォートレスは成長と一般投資家からの支持という点で同業他社の多くと比べて苦戦してきた」と分析。ソフトバンクによる買収については「異色の買い手による異色の取引のように思われる」との見方を示した。

  ソフトバンクは今回の買収合意よりも前からフォートレスとつながりがある。ソフトバンクが設立する1000億ドル規模の「ビジョン・ファンド」を主導するのは、14年にフォートレスを退職し、ソフトバンクに移籍したラジーブ・ミスラ氏だ。

  フォートレスの共同会長を務めるピート・ブリガー氏とウェス・イーデンス氏、ランディー・ナードン最高経営責任者(CEO)は社員に宛てた14日の電子メールで、「われわれは10年と1週間前にオルタナティブ資産運用会社として初めて株式公開を果たした。今度はソフトバンクと協力し、グローバル市場の機会とチャレンジを進んで受け入れる」と伝えた。
 
原題:Fortress Exits Decade in Public Spotlight With SoftBank Deal (2)(抜粋)

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