16日の東京外国為替市場のドル・円相場は下落。米金利低下や日本株安などを背景に、ドル売り・円買いが優勢となった。

  午後3時50分現在のドル・円は前日比0.2%安の1ドル=113円96銭。朝方に付けた114円31銭から、米金利低下や日本株の下落を受けて一時113円77銭までドル安・円高に振れた。前日の米国市場では、市場予想を上回る1月の消費者物価指数(CPI)と小売売上高の伸びを受けた金利上昇に連れて1月30日以来の高値114円96銭を付けた後に伸び悩んだ。

  外為オンライン情報サービス室の佐藤正和顧問は、「ドル・円は114円台半ばから115円が強めのレジスタンスゾーン。115円は節目である上、テクニカルも集まっており売りが出やすい」と説明。「ただ、足元の下げはやや予想外。米国株が連日高値を更新しているにもかかわらず日本株が弱いことが嫌気されているのではないか。米長期金利も2.5%を割っており、支援材料が乏しい」と述べた。

  この日の東京株式相場は反落。日経平均株価は前日比90円45銭(0.5%)安の1万9347円53銭で取引を終えた。米長期金利は時間外取引で一時2ベーシスポイント(bp)低下の2.48%程度まで下げた。

  麻生財務相とムニューチン米財務長官は日本時間午前10時ごろ、初の電話会談を行った。麻生財務相は、3月にドイツで開かれる20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議での日米財務相会談を提案した。為替に関するやりとりはなかった。

  ニューヨーク連銀のダドリー総裁は15日の講演で、米経済が予想通り推移すれば、「われわれは今後数カ月内に金融政策緩和がさらに緩やかに解除され、金利がもう少し上昇すると予想する」と発言した。

ドルと円
ドルと円
Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  米金利先物動向に基づきブルームバーグが算出した利上げ予想確率によると、3月FOMCで利上げの可能性は15日時点で44%程度と、14日の34%程度から上昇している。

  みずほ証券の鈴木健吾チーフFXストラテジストはは、「米経済指標が強いので3月の米利上げの可能性は排除しないが、今年の利上げは6月と12月の年2回と予想している」と言う。「今年前半は調整して110~115円が主戦場となりそう。トランプ政権の政策や米利上げ姿勢を確認して、年後半に向けて120円を目指す方向」と見込む。

  一方、外為オンラインの佐藤氏は、「3月や5月の利上げがあるかどうかだ。足元の経済指標は強く、環境的にはそろってきた感じ」と指摘。「次回の雇用統計で賃金が強ければ3月利上げもあり得る」と述べた。

  16日の米国では、1月の住宅着工件数、2月のフィラデルフィア連銀景況指数、新規失業保険申請件数などが発表される。ブルームバーグ調査によると、住宅着工は前月比横ばい(昨年12月は同11.3%増)、フィラデルフィア連銀景況指数は18(1月は23.6)が見込まれている。またサンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁が講演する予定。

  NBCフィナンシャル・マーケッツ・アジアのデービッド・ルーディレクター(香港在勤)は、「基本的にどれか一つがというよりも、全体的な結果のトーンが米利上げを補強するものとなるかが焦点になりそう」と予想。ドル・円については、「3月末では117円まで上昇を見込んでいる。米利上げ期待に加え、トランプ大統領の減税政策を織り込んで上値を拡大するだろう」とみる。

  豪ドルは同時刻現在、対米ドルで0.1%安の1豪ドル=0.7701ドル。1月の豪雇用統計で雇用者数の伸びが市場予想を上回ったことを受けて、一時0.7732ドルと約3カ月ぶり高値を更新したが、その後は伸び悩んだ。

  ブラウン・ブラザーズ・ハリマン(BBH)外国為替部の村田雅志通貨ストラテジストは、「豪雇用統計は素直にみれば良い内容」としながらも、豪ドルはそれほど買われていないと分析。「対ドルで0.77ドル台は明らかに高い。ショートのチャンスが相当ある」との見方を示した。

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