ウォール街のほぼ全ての投資銀行が昨年10ー12月期に業績を回復できた要因として最高経営責任者(CEO)らが挙げたのは、金融市場のボラティリティー(変動性)「持続」だが、もはやこれまでかもしれない。

ウォール街
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Photographer: Michael Nagle/Bloomberg

  昨年11、12両月と今年に入って数週間は債券から株式まで幅広い市場で相場変動が続いたが、低ボラティリティーがいつの間にか戻ってきた。ドナルド・トランプ氏の米大統領選勝利が第4四半期のトレーディング収入増加のきっかけになったとされるが、そうした状況がその後定着したとは言えない。その主な背景には、債券利回り上昇とドル高の傾向を伴う、いわゆるトランプ相場の頓挫が挙げられる。

  米国債のオプションから推定するボラティリティー指数のバンク・オブ・アメリカ・メリルリンチMOVE指数は、大統領選前の水準に低下し、5年平均も下回っている。米国株に関しては、シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティー指数(VIX)が過去最低付近。

  BNPパリバやクレディ・スイス・グループのアナリストらは、トランプ政権がもっと具体的な財政支出案を示すか、市場予想を裏切るような経済指標や金融政策の発表で投資家が見通し変更を迫られない限り、ボラティリティー復活は難しいだろうと指摘する。

  BNPパリバの米国ストラテジスト、ティモシー・ハイ氏は「トランプ政権から財政政策についての情報は十分に聞こえてこないので、市場参加者がこれまで以上に相場を動かしたがっているとは思わない」として、「今は台風の目の中にいるような状況だろう」と述べた。

  ゴールドマン・サックス・グループやシティグループなど主要行の第4四半期利益回復に大きく寄与したのは債券トレーディングだが、ニューヨーク連銀のデータによると、その取引高は大統領選前の水準に低下。2月第1週のプライマリーディーラー(政府証券公認ディーラー)による米国債と社債含む債券売買は1日当たり約9850億ドル(約112兆4600億円)と、11月ピーク時の1兆4000億ドルを下回っている。

原題:Wall Street’s Trading Revival Risks Relapse as Volatility Ebbs(抜粋)

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