米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は15日、下院金融委員会の公聴会で、2日目となる半期に一度の議会証言を行い、トランプ大統領による税制改革や歳出案に金融当局が手当たり次第に利上げで対応することはないとの立場を示した。

  金融当局が政策スタンスの修正を通じて、財政政策変更の影響を相殺することを目指すだろうとのメディア報道について質問されたイエレン議長は、「あまり正しくはない」とコメント。当局が金融政策の引き締めで対応することになるのは「それが需要に基づいたもので、インフレ目標を脅かすと考える場合に限定される」と説明した。

  イエレン議長は議会に対し、生産性を向上させ労働力の供給を増やす政策措置を通じて、経済の長期的な成長率を高める取り組みに注力するようあらためて呼び掛けた。

  イエレン議長は財政政策の具体的な変更に関してほとんど論評を控えたが、物議を醸している法人税の「国境調整」案には言及した。下院共和党がまとめた同案は輸入業者に支払い義務が生じるが輸出業者にはない。このため小売業界や石油精製業界といった輸入業者が同案に反対し、小売価格の引き上げを余儀なくされると訴えている。一方、同案の推進派は、相応のドル上昇によってこれらの企業の輸入コストが低下するため、増税の影響は相殺されると論じている。

  原理的にはそうなるかもしれないものの、イエレン議長は米ドルが「実際に」どう反応するか「大きな不確実性」があると述べ、「何が起こるか知るのは極めて難しい」と語った。 

原題:Yellen Says Trump Budget Won’t Necessarily Prompt Higher Rates(抜粋)

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