16日の東京株式相場は反落。為替がドル安・円高方向に振れたことが嫌気され、電機や精密機器など輸出株の一角が安く、小売や陸運、電力、サービス株など内需セクターも下げた。半面、経済統計の堅調を背景に米国長期金利の先高観は強く、保険や銀行株は堅調、相場全般を下支えした。

  TOPIXの終値は前日比2.62ポイント(0.2%)安の1551.07、日経平均株価は90円45銭(0.5%)安の1万9347円53銭。

  JPモルガン・アセット・マネジメントの重見吉徳グローバル・マーケット・ストラテジストは、「今後の為替変動に対する警戒心は強い。トランプ米大統領の保護主義政策への懸念は拭えず、1ドル=115円台を超えて円安には振れにくい」と指摘。国内企業の決算内容は良かったが、「米国で税制変更などがあると想定され、日本企業は海外投資に二の足を踏む。今後の手掛かりはつかみにくい」とも話した。

東証内
東証内
Photographer: Yuriko Nakao/Bloomberg

  きょうの日本株は、朝方こそTOPIXは前日終値を挟んで推移したが、午前後半にかけ下落が鮮明化、午後は軟調な値動きが続いた。ドル・円相場は早朝に1ドル=114円台前半で取引された後、次第に円が強含み、午後はおおむね113円台後半と前日の日本株終了時点114円43銭からドル安・円高方向に振れた。15日の海外市場では、115円に迫った後にドルは利益確定売りに押された。

  また、米10年債利回りはアジア時間16日の時間外時間外取引で低下。松井証券の窪田朋一郎シニアマーケットアナリストは、「米国の長期金利が2.5%から本格的に上昇しない状況では、米国株高だけでは日本株全体を押し上げられない」と指摘。投資対象が広がらず、「ボラティリティの上昇を懸念し、株価指数先物にはオプション絡みのヘッジ売りが出た」とみていた。オプション市場では、1万9000円プット(売る権利)が上昇した半面、2万250円コール(買う権利)は安い。JPモルガンアセットの重見氏も、きょうの日本株は「ファンダメンタルズよりテクニカルの売りに押された印象」としている。

  ただし、株価の下方圧力も限定的。日経平均では午前終盤に一時177円安まで売られたが、その後は下げ渋り。下支え要因の1つは、米経済統計の堅調ぶりだ。米商務省が15日に発表した1月の小売売上高は、前月比0.4%増と市場予想の0.1%増を上回った。消費者物価指数(CPI)も前月比0.6%上昇と予想から上振れ。JPモルガンの重見氏は、「昨年12月からのリスクオンムードはまだ変わっていない。日本株は相対的にみれば依然割安で、買いやすい」としている。
 
  東証1部33業種はパルプ・紙、電気・ガス、精密、サービス、小売、陸運など23業種が下落。保険や石油・石炭製品、ゴム製品、食料品、銀行など10業種は上昇。東証1部の売買高は20億2794万株、売買代金は2兆2550億円。上昇銘柄数は774、下落は1045。

  売買代金上位では、アナリストが投資判断を下げた東京エレクトロンと三菱重工業が安く、インドネシア事業の動向が懸念されたユニ・チャームのほか、東芝やファーストリテイリングも売られた。埼玉県の物流センターが火災に見舞われたアスクルは急落。半面、2017年12月期の事業利益見通しは1割増としたアサヒグループホールディングス、韓国子会社の大型受注が材料視されたローツェは高く、決算説明会の内容がアナリストに評価された東洋ゴム工業は連騰。

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