「I’m pretty confused.(私はかなり困惑している)」と米ブラックロックのローレンス・フィンク最高経営責任者(CEO)は先週述べたが、この3つの言葉は、多くの債券トレーダーの心理をうまく代弁している。

  グローバル・リフレーショントレードは最近数週間ほとんど動きがなく、米国の10年国債利回りは昨年12月に約2年ぶりの高水準に達した後、年明け以降は25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)のレンジで推移している。米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長が、利上げを長く待ち過ぎることは「賢明」ではないと14日の上院銀行委員会で証言したが、このレンジが揺らぐことはなかった。

  世界最大の資産運用会社であるブラックロックのグローバル・チーフ投資ストラテジスト、リチャード・ターニル氏と、グローバル債券の最高投資責任者(CIO)を務めるリック・リーダー氏は、リフレーションが今後数カ月にわたり市場のテーマであり続けるとの同社の見通しを示したが、「不吉な影」を予感させるフィンク氏の発言は、グローバル経済を悩ますデフレ圧力という亡霊を想起させる。

  インフレ期待の指標である米国10年国債と同年限のインフレ連動国債(TIPS)との利回り格差(ブレークイーブンレート)は約2%と、2014年以来の高水準に近づいており、iシェアーズ米国物価連動国債上場投資信託(ETF)への資金流入額を見る限り、投資家は、昨年11月の大統領選直後以来のペースでインフレ高進に備える金融商品を購入している。

  ブラックロックは3カ月の見通しに基づき、通常の米国債をアンダーウエートにするよう勧めている。しかし、フィンク氏は8日開かれたヤフー・ファイナンス・オールマーケッツサミットで、10年国債の利回りは4%に上昇することもあり得るだろうが、2%を下回る水準に低下する可能性も高いと発言。技術革新に加えて、国際貿易が崩壊する危険は、デフレのリスクが今も残っていることを意味していると語った。

原題:Fink’s BlackRock Captures Struggle With Reflation and Stagnation(抜粋)

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