米製薬会社メルクは14日、アルツハイマー病の治療薬開発で軽度から中程度の患者を対象とする研究の打ち切りを明らかにした。アルツハイマー型認知症の治療薬をめぐっては、米同業イーライリリーが3カ月前に難しさを指摘したばかり。

  専門家から成る独立した委員会が「プラスの臨床効果を見いだすチャンスは実質ない」と判断したという。一方、アルツハイマー病の前駆症状に対する酵素阻害剤ベルベセスタットの臨床試験は続けると、メルクは発表。試験を止めるほどの安全性上の問題はなかったと同委員会が結論付けたと説明した。

  アルツハイマー病患者は世界中に4400万人前後おり、研究も10年以上行われているが、症状を和らげる新薬はなく、症状の進行を遅らせるのに有効と証明された薬もない。

  メルクなどは、アルツハイマー病の原因と考えられるアミロイドと呼ばれるタンパク質の凝集(プラーク)に有効な薬剤開発を目指しているが、研究者の多くはこうしたプラークが脳内に蓄積された後では薬が効かないとの見方を強めている。

  メイヨークリニック(ミネソタ州ロチェスター)のデービッド・クノップマン教授(神経学)は「認知症をいったん発症した人からアミロイドを取り除くのは、全ての牛が出ていった後の納屋の戸を閉めるようなものだとの証拠が積み上がっている」と述べた。

  14日のメルク株は前日比プラスで取引を終えたが、ニューヨーク時間午後6時23分(日本時間15日午前8時23分)時点の時間外取引では2.1%安の64.30ドル。

原題:Merck Stops Alzheimer’s Study After ‘No Chance’ of Benefit (1)(抜粋)

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