15日の東京外国為替市場のドル・円相場は上昇。前日のイエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長の議会証言を受けた米金利の上昇を背景としたドル買い・円売りの流れが続いた。

  午後4時29分現在、ドル・円相場は前日比0.3%高の1ドル=114円56銭。仲値公表が集中する午前10時前後にかけて一時114円51銭を付けた後に伸び悩む場面があったが、欧州市場に向けて114円59銭まで上値を拡大した。

  バークレイズ証券の門田真一郎シニア為替・債券ストラテジストはイエレン議長の議会証言について、「市場が年3回の利上げシナリオをあらためて確認するものになった」とした上で、「すでにトランプ米大統領の『驚異的な』減税策発言でドルが上がっていただけに、ドル買いになりやすい地合いにあった」と説明。一方で、「米利上げについても減税政策の詳細が重要になる」とし、「28日に予定されている上下院合同本会議での講演をめどに、税制などの詳細が出てくるまでは、ドル・円は大きな方向性を持った動きにはなりづらい」と述べた。

  三井住友信託銀行マーケット金融ビジネスユニット為替セールスチームの西田朋広主任調査役は「今週は米国債のクーポン利払いに絡んだ円買いが意識されているほか、年度末を控えて115円を前に輸出企業のドル売り・円買いが出やすく、ドル・円の上値を抑えている」と述べた。

  イエレンFRB議長は14日の上院銀行委員会での公聴会で、利上げの可能性について「連邦公開市場委員会(FOMC)会合は全て予断を持たずに協議する」とした上で、「緩和解除を長く待ち過ぎるのは賢明ではない。待ち過ぎればFOMCは最終的に急速なペースでの利上げを迫られる可能性があり、金融市場を混乱させ経済をリセッション(景気後退)に追いやるリスクが生じる恐れがある」と語った。

  議長発言を受けて、米金利先物動向に基づきブルームバーグが算出した利上げ予想確率は上昇。14日時点では、3月会合で34%、5月会合まで53%、6月会合まで74%とそれぞれ前日の水準を3-4ポイント上回った。こうした中、米債券市場では金融政策の見通しに敏感な2年債利回りが一時4ベーシスポイント上昇の1.246%と1日以来の水準まで上昇した。

  三井住友信託銀行の西田氏は、「イエレンFRB議長の議会証言で、年内3回利上げの線は消えてないということが確認できた」としながらも、「市場の織り込み余地はありそうだが、トランプ政権の減税策が明らかになっていない他、賃金が伸び悩むなど、年内3回の利上げを全て織り込み始めるにはまだ早い」と指摘した。

  今晩は1月の米消費者物価指数や同小売売上高などの米経済指標が発表される。西田氏は「早期利上げを喚起させるような数字が出れば、ドル・円は115円の節目を試す動きになるかもしれない」との見方を示した。

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