米移民当局による不法移民を対象とした最近の取り締まりに伴い、米国の農業セクター全体が苦境に陥っている。農業セクターは外国人労働者に大きく依存している。

  過去6週間に少なくとも6州で数百人が逮捕された。このため、不法就労者と農家のそれぞれを代表する複数の団体によれば、不法就労者は移動を恐れ、農家は不法就労者を雇用するリスクを冒すことについて思案している。

  ウエスギファーム(カリフォルニア州)のゼネラルマネジャー、ピート・アイエロ氏によれば、ここ数年、国境警備が強化されていることなどから労働力の供給は縮小しつつあり、米西部の農場は既に対処を進めてきた。事態が今年さらに悪化し、同社が十分な数の契約労働者を確保することが出来ない可能性があると、同氏は懸念する。

  アイエロ氏は「状況は良くない。非常に大きな不安材料の一つだ」と語った。

契約労働者

  ウエスギはカリフォルニア州やアリゾナ州、メキシコの農場計5000エーカーで、パプリカやチリペッパー、白菜、スイートコーン、イチゴを栽培。同社が抱える問題は米西部の他の多くの農場も共有する。同社は収穫や仕分け、梱包作業でピーク時には約600人の契約労働者を雇用し、大半はメキシコ出身者だ。

  米国農業連合会によれば、米国の農場労働者の半分以上が不法労働者。同連合会と米農務省の調査によると、生産者と企業は労働力不足に直面しており、トランプ大統領による移民規制強化は食品価格の上昇につながる可能性がある。

  米国内の推計1100万人に上る不法移民を取り締まるため、トランプ政権は1月25日に大統領令に署名。この一環で、不法移民摘発に向けた家宅捜索が最近相次いでいる。

  米国農業連合会の議会関係担当ディレクター、クリスティ・ボスウェル氏は「労働問題をめぐっては米国内で多大な不安が広がっている。現実の問題であり、農家は困難な決断を迫られている」と指摘した。

原題:Trump’s Immigration Crackdown Triggers Anxiety Across U.S. Farms(抜粋)

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