債券市場では先物相場が上昇。前日のイエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長発言を受けた米国債相場の下落で売りが先行した後、日本銀行による中長期ゾーンの国債買い入れオペが下支えした。特に中期債は需給の引き締まりから堅調に推移した。

  15日の長期国債先物市場で中心限月3月物は前日比7銭安の149円79銭で取引を開始した。日銀買いオペ通知に向けて横ばい圏に戻し、午後は149円94銭と日中取引で9日以来の高値を付けた。結局は4銭高の149円90銭で引けた。

  メリルリンチ日本証券の大崎秀一チーフ金利ストラテジストは、「5年ゾーンのオペ結果が強く、先物が買われ、10年や超長期の金利も抑えられた」と指摘。「米国では利上げ織り込みが進んだような形で金利が上昇したが、国内では中期債など需給が引き締まっている。5年債は前日の入札でショートをやや解消したが、売りが出る感じではない」と言う。

  現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の345回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値より1ベーシスポイント(bp)高い0.10%と1週間ぶりの水準で取引を開始し、午後は0.09%に戻した。新発5年物国債130回債利回りは1bp低下のマイナス0.105%まで買われた。2年物373回債利回りは1.5bp低いマイナス0.24%と、新発として1月25日以来の低水準を付けた。

  前日の5年国債入札は投資家需要の強弱を示す応札倍率が前回から上昇し、小さいと好調なテール(最低と平均落札価格の差)は縮小した。みずほ証券の山内聡史マーケットアナリストは、「中期ゾーンは5年債入札を通して需給の良さが確認されている」と指摘した。新発5年物130回債は前日の日銀国債補完供給で9361億円の応札が集まり、この日も7294億円と在庫不足を示した。

日銀の国債買い入れオペ

  日銀はこの日、残存期間「1年超3年以下」と「3年超5年以下」、「5年超10年以下」を対象とした長期国債買い入れオペを実施した。買い入れ額は全て前回と同額。応札倍率はいずれも3倍台に上昇したが、按分利回り差が「3年超5年以下」でマイナス0.004%、「1年超3年以下」はマイナス0.012%になった。

  日銀の黒田東彦総裁はこの日、衆院財務金融委員会の答弁で、国際的な金利上昇下でも国内長期金利はゼロ%程度で安定しているとして、金融緩和が必要になればさらに金利を下げることも十分考えられると述べた。

超長期ゾーン

  現物債市場の超長期ゾーンでは、新発20年物国債159回債利回りが1.5bp高い0.71%を付けた後、0.695%に戻した。新発30年物53回債利回りは1.5bp上昇の0.905%で始まった後、0.89%を付ける場面があった。

  メリルリンチ日本証券の大崎氏は、超長期債について、「30年債入札を無難に通過してから底堅く、押し目買いを待っている人がいるのではないか。3月は季節的に生命保険から30年債の買いが入って10-30年がフラット化しやすい」と指摘し、この先1カ月は相場が強含む可能性があるとみている。

イエレンFRB議長
イエレンFRB議長
Bloomberg

  前日の米国債市場では、イエレンFRB議長の発言がタカ派的と受け止められ、10年債利回りは一時2.50%まで上昇した。アジア時間は2.48%程度で推移した。

  イエレン議長は上院銀行委員会の公聴会で、「緩和解除を長く待ち過ぎるのは賢明ではない」と指摘し、雇用とインフレの進展が続けば今後の会合で利上げを決定することが「適切になるだろう」と述べた。また、今後数カ月間にバランスシートの戦略について協議すると話した。

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