15日の東京株式相場は反発。連邦準備制度理事会(FRB)議長の議会証言で米国の早期利上げ観測が広がり、米長期金利の上昇や為替のドル高・円安が好感された。業種別上昇率トップの保険株を中心に金融セクターの上げが目立ち、商社や化学、不動産、機械株など幅広い業種が高い。

  TOPIXの終値は前日比14.57ポイント(0.9%)高の1553.69、日経平均株価は199円(1%)高の1万9437円98銭。日経平均は一時、250円以上上げる場面があった。

  ニッセイアセットマネジメントの西崎純チーフ・ポートフォリオ・マネジャーは、「FRB議長発言を受け、市場は米国の年3回利上げを確信、多少懐疑的だった向きは軌道修正を強いられた。1回目の利上げは3月だろう」と予測。日本株は、「業績安心感とそれを支える米景気順調が重なり、投資しやすい環境になっている」と話した。

米ドルと日本円
米ドルと日本円
Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  イエレンFRB議長は14日の上院公聴会で、「緩和解除を長期間待ち過ぎるのは賢明ではない。待ち過ぎれば、FOMCは最終的に急速なペースでの利上げを迫られる可能性があり、金融市場を混乱させ経済をリセッションに追いやるリスクが生じる恐れがある」と指摘した。大半のFOMCメンバーは、「年内に数回利上げするのが適切との結論に達した」とし、「3、5、6月のいずれにせよ、当局が行動を起こす正確な時期だということは分かっている」とも述べた。

  また、米労働省が14日に発表した1月の生産者物価指数は、前月比0.6%上昇と2012年9月以来で最大の伸び。こうした中、同日の米10年債利回りは一時6.5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%) 上昇し、2.5004%を付けた。市場が織り込む3月利上げの確率は証言前の30%から34%に上昇。米国株市場では金融株が買われ、S&P500種株価指数が0.4%高の2337.58と連日で史上最高値を更新した。きょうの為替市場では、おおむね1ドル=114円台前半で推移と前日の日本株終値時点113円35銭からドル高・円安方向に振れた。

  第一生命経済研究所の嶌峰義清主席エコノミストは、「イエレンFRB議長があえてトランプ要因を無視して話をしたことで、市場は米景気の強さにあらためて気付いた。米国が3%成長を軸に動くなら、今の短期金利は低過ぎ、FRBは早くニュートラルに戻したいだろう」と指摘。強い景気の材料に金利が上昇反応を見せれば、「その分だけ為替は円安になる」とみている。

  日本株上昇を主導したのは金融セクターで、中でも東証保険株指数は4%超高と急伸。16年4ー12月期の純利益が前年同期から2割以上増えたMS&ADインシュアランスグループホールディングスなどが大幅高となった。クレディ・スイス証券の山中威人アナリストは、第3四半期決算はガイダンスに対し進捗(しんちょく)率の高い会社が多く、利益の上振れ余地があるとの見方を示した。保険株指数は一時、15年8月以来の高値を付けた。

  東海東京調査センターの中井裕幸専務は、トランプ政権の政策期待もあり、「米長期金利は再び上向き方向」とし、「金融株の上値余地はまだあり、デフレ脱出も追い風。日本株はリフレラリーだ」と話す。

  東証1部33業種は保険、卸売、銀行、パルプ・紙、証券・商品先物取引、化学、不動産、非鉄金属、機械など29業種が上昇。電気・ガス、その他製品、ゴム製品、鉄鋼の4業種は下落。東証1部の売買高は21億459万株、売買代金は2兆2945億円。上昇銘柄数は1385、下落は500。

  売買代金上位では三菱UFJフィナンシャル・グループや三菱商事、東京海上ホールディングス、第一生命ホールディングスが高く、米投資会社を買収するソフトバンクグループも堅調。今期営業利益計画が予想を上回った東洋ゴム工業、今期の増配計画と自社株買いを受けた電通は急伸した。半面、今期末に債務超過になる見通しを示した東芝は大幅続落。今期3割を超す営業減益計画の住友ゴム工業も売られ、任天堂や楽天、ディー・エヌ・エー、シマノも安い。

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