トランプ米大統領が規制を書き換え社員の自由な移動を制限することによって、世界の市場が動揺し、銀行の営業に影響を与えるリスクがあるとして、世界の大手銀行は投資家に警告する方向で検討している。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。

  米国と英国の銀行は今月提出する年次報告書でリスク開示の項目を増やすか、特定のセクションを詳細にすることを検討していると、報告書の作成について知る複数の関係者が述べた。新しい政権が不確実性を高める原因だと指摘する公算だが、トランプ大統領を名指しすることは控える見込みだという。

  銀行は金利上昇やトランプ大統領が掲げる規制緩和の恩恵を受けるものの、ボラティリティ上昇はトレーディング業務に影響する可能性があることに加え、大統領が中国やメキシコとの通商政策に目を向けるに伴い、世界の商取引低迷が合併や証券発行の案件を細らせる恐れがある。銀行株はここ数週間に上昇してきたが、一部の運用者は浮上しつつある政治リスクが無視されていると指摘する。

  KPMGのリスクコンサルティング担当パートナーのロブ・スミス氏(ロンドン在勤)は、起こり得る影響を考慮すれば、米新政権が波乱を招くという警告を「開示情報に盛り込む必要は大いにあるだろう」と述べた。「個別の金融機関がトランプ大統領に言及することは考えにくい。米国の規制見直しの全体的な影響を説明するのではないだろうか。大統領はリスク要因でもあるが、機会も提供している」と話した。

原題:Global Banks Said to Consider Trump-Related Risk Disclosures (1)(抜粋)

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