債券市場では先物相場が小幅高。財務省がこの日に実施した5年利付国債入札を無難に終えたことを受けて、中期債を中心に買い安心感が広がった。半面、超長期ゾーンの軟調推移が相場全体の重しとなった。

  14日の長期国債先物市場で中心限月3月物は前日比2銭安の149円83銭で取引を開始した。午後に入ると一時149円91銭まで上昇し、結局は1銭高の149円86銭で引けた。

  バークレイズ証券の押久保直也債券ストラテジストは、5年債入札について「需要がそれなりにみられたという結果だった。買い安心感は少し高まる方向だと思う」と説明した。ただ、「米金利が上昇する中、足元の外部環境としてはまだ金利上昇圧力がかかりやすい」とし、「日銀のオペをめぐる不透明感が強い中では、ここから上値を追うインセンティブは限定される」と述べた。

  現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の345回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値から0.5ベーシスポイント(bp)上昇の0.09%で始まり、いったん0.095%まで売られた後、再び0.09%に戻した。新発5年物の130回債利回りは、入札後に0.5bp低いマイナス0.09%に下げた。

  一方、超長期債は安い。新発20年物の159回債利回りは2.5bp高い0.70%、新発30年物の53回債利回りは3.5bp高い0.895%まで売られた。

  JPモルガン証券の山脇貴史チーフ債券ストラテジストは、「超長期ゾーンは誰かが売っているというより、買い手が少ないので、全般的に需給が崩れている印象だ」と話した。 

5年債入札

  財務省がこの日に実施した5年利付国債の価格競争入札の結果は、最低落札価格が100円90銭と、市場予想と一致した。投資家需要の強弱を反映する応札倍率は4.26倍と、前回の3.66倍を上回った。小さければ好調を示すテール(最低と平均落札価格の差)は2銭と前回6銭から縮小した。

5年債入札結果はこちらをご覧下さい。

  JPモルガンの山脇氏は、「日銀オペと入札にらみの展開だが、今月は残存期間5年超10年以下の国債買い入れ3回に加え指し値オペまで実施しているにもかかわらず、金利上昇を抑えるのが難しくなっている感じだ」と指摘。「10年債利回りがもう一度0.1%を突破した時に日銀がどう動くのかを試しにいく可能性がある」と言う。

議会証言

イエレンFRB議長
イエレンFRB議長
Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg via Getty Images

  13日の米株式相場はトランプ政権の政策期待を背景に上昇し、主要株価指数は過去最高値を更新した。一方、米国債相場は3営業日続落。米10年国債利回りは前週末比3bp高い2.44%程度となった。

  今週の米市場の関心は14、15日に行われるイエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長の議会証言に集中している。

  野村証券の松沢中チーフストラテジストは、「イエレン議会証言では、3月利上げへの踏み込んだ言及はないとみられるものの、少なくとも現状程度の利上げ確率を維持するため、近い将来の利上げが『Live』な状態であることを示唆するだろう」と指摘。「伏兵はバランスシート縮小の議論で、議長が多少でもその計画について触れればスティープ化方向のサプライズになる」とみる。

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