14日の東京株式相場は3営業日ぶりに反落。米国のフリン大統領補佐官が辞任、米政権人事への懸念から為替がドル安・円高に振れた午後の取引で下げ幅を広げた。直近急伸した反動も出て、業績計画を下方修正したニコンなど精密機器株、医薬品や食料品、情報・通信など内需株、銀行株の下げが目立った。

  TOPIXの終値は前日比15.08ポイント(1%)安の1539.12、日経平均株価は220円17銭(1.1%)安の1万9238円98銭。TOPIXは0.3%高の1559.22と年初来高値を更新して始まったものの、その後は下げに転じ、始値がきょうの高値となる「寄り付き天井」。

  三菱UFJ国際投信の小西一陽チーフファンドマネジャーは、「日米首脳会談で直接的な厳しい日本批判はなかったが、霧が全て晴れた状況ではないと市場はあらためて認識している」と指摘。トランプ米大統領の政策実現性が不安視される中、「減税などが実行されれば円安方向だが、目先は金融・財政政策の不透明感から円安方向には進みにくい」と話した。

東証前
東証前
Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  フリン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は13日に辞任した、とトランプ政権の高官1人が明らかにした。米司法省はホワイトハウスに対し、フリン氏の駐米ロシア大使との接触をめぐり懸念を警告していた。

  野村証券投資情報部の村山誠エクイティ・マーケット・ストラテジストは、「トランプ政権の陣容がまだ決まらない中、フリン補佐官の辞任が出て、人事への不透明感が高まりネガティブ」とし、既に高くない支持率にさらに「批判の余地を与えかねない」と懸念を示した。

  また、米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は14、15日に議会で証言する。JPモルガン証券の棚瀬順哉為替調査部長らはリポートで、イエレン議長の発言が前回の連邦公開市場委員会(FOMC)声明と異なるものになる可能性は低く、短期的なリスクは米金利低下・ドル下落方向とみている。

  きょうのドル・円相場は、午前は1ドル=113円50ー70銭台と前日の日本株終了時点113円71銭に対し小動きだったが、米補佐官の辞任発表を受けたリスク回避の動きで113円20銭台まで円が強含んだ。東洋証券の浜田享征ストラテジストは、「為替市場でリスクオフになりかけていることが日経平均1万9500円からの上値の重し」と言う。

  前日の米長期金利上昇、米国株の最高値更新の流れを受けたきょうの日本株は続伸して始まったが、TOPIXが高値圏、日経平均は直近2日間で500円以上急伸していた反動もあり、次第に売り圧力に押された。東証1部33業種は精密、医薬品、食料品、通信、銀行、不動産、機械など29業種が下落。ゴム製品や非鉄金属、パルプ・紙、電気・ガスの4業種は上昇。東証1部の売買高は21億466万株、売買代金は2兆4041億円。上昇銘柄数は676、下落は1191。

  東証1部の売買代金上位では、正午に予定していた決算発表を延期した東芝が大幅安。通期営業利益計画を1割下方修正、マッコーリーが投資判断を下げたニコンは急落した。ブイ・テクノロジーやダイキン工業、大塚ホールディングス、キリンホールディングスも安い。半面、決算内容が評価されたミネベアミツミや三井金属、アルバックは大幅高。

最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE