フランス銀行(中央銀行)のビルロワドガロー総裁は今年の大統領選挙の結果をめぐる懸念からフランスの金利が既に上昇していると指摘し、ユーロ離脱のコストについて有権者に警告した。

  世論調査によると、ユーロ離脱を目指す国民戦線(FN)のルペン党首は第1回投票で首位となり、決選投票に進出する見込み。決選投票で勝利する公算は小さいものの、同党の台頭を懸念してフランス国債のドイツ国債に対する上乗せ利回りは上昇し、過去4年余りでの最高に達した。

  ビルロワドガロー総裁は13日にラジオ局フランス・アンテルの番組で、「最近のフランス国債の利回り上昇は一時的なものだとは思うが、ユーロ離脱に関する一定の懸念と整合する」と語った。

  Ifopが毎日まとめる世論調査によれば、第1回投票でのルペン氏の支持率は約26%。マクロン前経済相が20.5%、共和党のフィヨン元首相が17.5%。どの世論調査でも、決選投票ではマクロン氏かフィヨン氏が勝利する見通しが示されている。

  ユーロ離脱を主張するルペン氏は12日も持論を展開し、単一通貨はフランスの主権を制限する政治的道具だと述べた。「理性的な保護主義と工業政策という公約を、単一通貨では実行できない」とし、単一通貨は「経済へのブレーキだ。回復への障害だ。ユーロは通貨ではなく、政治的道具だ」と語った。

  一方、ビルロワドガロー総裁はユーロを離れた場合のフランスの国債費が、年間に約300億ユーロ(約3兆6300億円)増大すると試算した。「視聴者には抽象的に聞こえるかもしれないが、300億ユーロは実体のある数字であり、フランスの年間国防費に相当する」と述べた。

  世界経済という舞台で自国の利益を守ることも難しくなるだろうとし、ユーロは「現在のような不確実な世界で競争するための武器だ。フランス単独であれば、金融市場の投機に立ち向かえない」と語った。

原題:Bank of France Warns Voters on Cost of Euro Exit, Rising Spread(抜粋)

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