雑音には耳を貸さないことだ。米モーニングスターの2016年米国内株最優秀ファンドマネジャーに選ばれたデービッド・ウォラック氏に聞いてみればいい。

  バリュー(割安株)投資を重視する同氏のファンドは同年、競合ファンドの多くが市場を下回る成績に甘んじる中、プラス24%のリターンを記録した。トランプ米大統領は医薬品価格や貿易、銀行規制に関するツイートで一部銘柄を動かしてきたが、拙速な反応を我慢した方が投資はうまくいくものだ。

  資産規模130億ドル(約1兆4800億円)の「Tロウ・プライス・ミッドキャップ・バリュー・ファンド」を運用するウォラック氏(56)は電話インタビューで、「流れてくるニュースを日々あるいは毎月心配するのは本当に生産的でないと理解している。行動する必要のないときに行動を強いられる恐れがある」と述べた。

ウォラック氏
ウォラック氏
Source: T. Rowe Price

  
  同氏によれば、どうすべきかは複雑なことではない。長期的な成長見通しに関するシグナルや、純資産価値もしくは利益に対して株価水準が妥当かどうかを見極める兆候を探すことだ。

  トランプ政権をめぐる楽観的な見方から投資家が銀行株や景気循環株に期待する中で、ウォラック氏は生活必需品関連株や不動産投資信託などに好機を見いだしている。共和党が提案する法人税の「国境調整」への懸念から大きく下げたアパレルメーカー株は、バリューを示し始めていると指摘する。

  ミッドキャップ・バリュー・ファンドの運用を2000年に始めたウォラック氏は、それ以降のリターンが年換算でプラス11%と、S&P中型株400種指数の9.1%、S&P500種株価指数の5.5%を上回っている。

  ウォラック氏は自身の成功の多くは祖父のおかげだと話す。英イングランドから米国に移住した祖父は1921年に米株式投資を始めたという。「祖父が私にいつも語っていたことの一つは『市場はほかにもあるだろう』ということだ。銘柄を追いかけるのではなく、自分がなすべき仕事をして忍耐強くなれというのが祖父の教えだ」と語った。

  かくして、ウォラック氏とTロウ・プライスのアナリストらは時価総額が20億ー200億ドルの銘柄の中から、成長見通しと経営がしっかりした企業を投資対象候補として探し出し、株価が妥当と見なす水準になるまで、どれだけ時間がかかっても待つ。そしていったん購入すれば、株式保有を継続する。株価が下がった場合、投資を倍に増やすこともいとわないという。

原題:T. Rowe Stock Manager Ignores Trump Mania Delivering 24% Returns(抜粋)

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