住友金属鉱山は2017年の世界のニッケル需給が4万8000トンの供給不足になるとの予測をまとめた。供給不足は前年に続いて2年連続となる見通し。今月、フィリピン政府が同国内の複数鉱山を閉鎖すると発表しており、不足幅がさらに拡大する可能性もある。

  世界最大のニッケル輸出国であるフィリピンは3日、同国内の18のニッケル鉱山を閉鎖、2鉱山を一時停止にすると発表した。環境基準を満たさない鉱山は閉鎖するとの方針を昨年、打ち出していた。

  ニッケル営業・原料部の大山正紀部長は10日、ブルームバーグのインタビューでフィリピンのこれら鉱山が実際に閉鎖された場合、昨年の世界生産量の5.5%に相当する10万-11万トンの供給量が減少する可能性があるとの試算を示した。需給に与える影響については「大きい」とみる。

  14年1月からニッケル鉱石の輸出を禁止していたインドネシアは先月、規制の緩和を決めた。一定の条件の下、低品位のニッケル鉱石の輸出が可能となる。輸出再開の影響については5万ー6万トンのニッケル供給の増加につながるとみている。

  フィリピン政府の閉鎖決定に対しては異議申し立てを行う動きもある。インドネシアの鉱石輸出再開ではどの程度の輸出税が課せられるのかはまだ不明。そのため「これらは不確定要素」として、今回の需給予測には織り込んでいない。仮にフィリピン、インドネシアの影響をともに織り込んだ場合、不足幅がさらに4万トン程度拡大するとの見方を示した。

  16年のニッケル需給は6万1000トンの供給不足だったとみている。インドネシアのニッケル鉱石の輸出禁止の影響で中国でのニッケル生産が落ち込み、供給量の伸びが鈍化した。17年はインドネシア国内での新規製錬所の立ち上げによるニッケル銑鉄の生産量が増加することで、供給不足幅は減少するとみている。需要面については「中国だけでなく国内やアジアも含めて堅調」と述べた。

【住友鉱によるニッケル需給の予測】


2016年2017年
生産2,003(1.8%)2,080(3.8%)
消費2,064(9.0%)2,128(3.1%)
バランス   -61   -48

(注:単位は1000トン、カッコ内は前年比)

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