13日の東京外国為替市場ではドル・円相場が上昇し、一時2週間ぶりに1ドル=114円台を付けた。日米首脳会談で日本の為替・金融政策や貿易不均衡に対する直接的な批判が出ず、トランプ大統領の税制改革を期待したドル買い・円売りが先行した。

  午後3時53分現在のドル・円は前週末比0.3%高の113円57銭。朝方には一時114円17銭と、前週末のニューヨーク午後遅くの水準から1円近くドル高・円安が進行。その後は113円90銭前後でもみ合いとなり、欧州市場に向けては113円50銭台まで伸び悩んだ。

  FPG証券の深谷幸司社長は、米国株が最高値を更新するわりに日米首脳会談への警戒感から為替は「置いてきぼり」だったが、会談で何も出なかったため、「上のキャップが外れた」と説明。「今度はトランプ氏の本丸の財政出動の具体化に焦点が移ってきた」とした上で、「115円超えはなかなかどうかという気がする。付けにいくかもしれないが、期待感だけでどこまで走るか」と語った。

  ブルームバーグのデータによると、円は主要16通貨全てに対して前週末比で下落。対オーストラリア・ドルでは一時1豪ドル=87円50銭程度と、昨年12月15日以来の安値を付けた。 

急落リスク後退も上攻めも難しい

  安倍首相とトランプ大統領は現地時間10日、ホワイトハウスで初めての日米首脳会談を行い、マクロ経済政策や貿易枠組みなど分野横断的な経済対話を行っていくことで合意した。為替をめぐる問題については財務当局間で取り扱うことで合意。トランプ氏は会見で、個別の国名への言及を避けた上で、「為替の切り下げについては、長い間、ずっと私は苦情を言ってきた」と述べた。為替をめぐり公平な立場を作ることで、貿易などで競い合うことができると話した。

  ソシエテ・ジェネラル銀行東京支店の鈴木恭輔為替資金営業部長は、「為替についてはG20(20カ国・地域)という多国間での場に議論が移りそうなこと、対象が中国とはいえドル高批判がなかったわけでもないこと、何より二国間を含めこれから長い時間をかけての交渉が始まるということで、一足飛びにドル買いになるという感じでもないのだろう」と話した。

  この日発表された日本の昨年10~12月の国内総生産(GDP)速報値は前期比年率1.0%増と、市場予想(同1.1%増)をやや下回ったが、市場の反応は限定的だった。

  13日の東京株式相場は続伸。日経平均株価は1月5日以来の1万9500円台に乗せる場面が見られた。

  トランプ大統領は9日の米国の航空会社幹部との会合で、法人税制の見直しで「驚異的な」計画を2、3週間以内に発表すると発言した。これにより市場には刺激策への楽観が戻り、主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドルスポット指数は先週、7週間ぶりの上昇。10日の米株式市場では主要株価指数が過去最高値を更新した。

  クレディ・アグリコル銀行の斎藤裕司外国為替部長は、首脳会談が表面的にはうまくいったということで、ドル・円の急落リスクはなくなったが、トランプ大統領の税制改革の内容を見極めるまでは「上攻めも難しい」と指摘。まずは14、15日のイエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長の議会証言で、年内の利上げが3回になる可能性をもう一度確認する必要があり、「118円66銭のところのダブルトップを試すのは、税制改革を見た後だろう」と話した。

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