キリンホールディングス(HD)の今期(2017年12月期)の純利益は、前年比42%減の680億円になる見通しだ。ビールの販売数量が減少する中、構造改革に取り組み、収益基盤強化を優先させる。

  前期発生した海外子会社の特別利益を今期は見込めず、減益となる。ブルームバーグが集計したアナリスト13人の予想平均は817億円だった。営業利益が1430億円(市場予想1522億円)、売上高2兆1000億円(同2兆718億円)との見通しも発表した。前期の純損益は1182億円の黒字だった。

  発表資料によると、子会社ブラジルキリンの全株式を約770億円でオランダのハイネケンに売却する。キリンHDは11年、ブラジルのビール事業会社を総額約3000億円で取得、子会社化した。しかし現地経済の悪化と他社との競争で苦戦し、同事業は15年に減損損失1100億円を計上していた。

  キリンHDの磯崎功典社長は13日の会見で、「原材料を輸入に頼り、レアル安で価格転嫁が経済状況からしても難しかった」と説明した上、マクロ環境のほかに本社がもっと経営に密接に関わるべきだったことを「最大の教訓にしたい」と述べた。

  国内ビール市場の縮小が続く中、海外に成長を求めるキリンは、ブラジル事業を売却する一方で、東南アジアでの投資に積極的な姿勢を示している。

  同社はミャンマーでマンダレー・ブルワリーに過半数出資することを発表。磯崎社長は、ベトナム市場についても「大変魅力的な市場」と述べ、すでに拠点のあるフィリピン、ミャンマーのほか3にさらに東南アジアで拠点を拡大したい考えを示した。

  磯崎社長によると、ハイネケンへの売却が完了すればキリンHDの負債資本倍率(D/Eレシオ)は中期経営計画の0.75倍を大きく下回り、財務的にも柔軟性が生まれるという。「反省しながら攻めていく」とコメントした。

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