昨年10-12月期の実質国内総生産(GDP、速報値)は4期連続のプラス成長となった。市場予想は下回った。個人消費が伸び悩む中、輸出が寄与した。内閣府が13日発表した。

キーポイント

  • 実質国内総生産は前期比0.2%増、年率換算1.0%増、(ブルームバーグ調査の予想中央値はそれぞれ0.3%増、1.1%増)
  • GDP全体の約6割を占める個人消費は前期比横ばい(予想は0.0%)
  • 設備投資は同0.9%増(予想は1.2%増)、公共投資は同1.8%減
  • 在庫のGDP全体への寄与度はマイナス0.1ポイント、外需の寄与度はプラス0.2ポイント

背景

  政府は1月の月例経済報告で「一部に改善の遅れもみられるが、緩やかな回復基調が続いている」との景気判断を維持した。日銀は同31日公表の経済・物価情勢の展望(展望リポート)で、世界経済の改善や昨年12月の政府のGDP統計見直しを受けて、17年度の実質GDP成長率の見通しを1.5%増と昨年11月の前回見通し(1.3%増)から上方修正した。

  日銀は一方で、誕生したばかりのトランプ米大統領の通商政策や為替政策をめぐる不透明感もあり、経済・物価とも見通しに比べて「下振れリスクの方が大きい」との見方を示した。黒田東彦総裁は同日の会見で、米国の経済政策は世界経済や国際金融市場に大きな影響があると指摘し、その方向性や影響を「注視してみていきたい」と語った。

  今回のGDPを押し上げたのは外需だ。世界経済の回復に伴い、輸出は回復基調にある。財務省が8日発表した国際収支によると、2016年の経常収支は前年比25.8%増の20兆6496億円の黒字となり、1985年以降で07年(24兆9490億円)に次ぎ2番目の高水準となった。

  一方、16年の米国の貿易赤字は12年以来最大となり、国別では日本が中国に次いで2番目の大きさとなった。トランプ氏は米国の貿易赤字を問題視している。10日開かれた日米首脳会談で踏み込んだ議論は回避されたものの、両国間の摩擦に発展する可能性をはらんでいる。
 

エコノミストの見方

  • メリルリンチ日本証券デバリエいづみ主席エコノミストは統計発表後、ブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、景気回復への良い上昇基調は確かに出ているとしながらも、輸出主導の成長が続いていると分析。「民間消費は引き続き弱い。そこに勢いが出てこない限り成長が急速に加速するのは難しい」との見方を示した。
  • クレディ・スイス証券の塩野剛志エコノミストは統計発表後、ブルームバーグの電話取材で、「米国が2国間の貿易を注視する中過度な輸出への依存は批判を招くリスクがある」とした上で、「安倍政権はさらなる財政政策によって政府も経済の持ち直しを図っているという姿勢を見せなければいけなくなるかもしれない」との見方を示した。
  • 第一生命経済研究所の新家義貴主席エコノミストは統計発表後のリポートで、「ゼロ%台後半とみられる潜在成長率を上回る成長が実現」していることから、景気の回復傾向を改めて確認させる結果と指摘。「トランプ大統領の政策の不透明感は強いものの、メインシナリオとしては着実な景気回復を見込んでおいて良い」としている。

詳細

  • 7-9月期の実質GDP成長率は前期比0.3%増、年率1.4%増-2次速報値(前期比0.3%増、年率1.3%増)から上方修正
  • GDPデフレーターは前年比0.1%減(予想は0.2%減)
  • 2016年名目GDPが537兆円と比較可能な1994年以降最大-基準改定でかさ上げ
  • 16年の実質GDPは1.0%増と5年連続のプラス成長となった
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