債券相場は下落。日米首脳会談を通過し、トランプ大統領から日本の円安誘導を批判する発言がなかったことなどを背景に国内株高・円安とリスク選好の動きとなり、債券には売り圧力がかかった。

  13日の長期国債先物市場で中心限月3月物は前週末比9銭安の149円83銭で取引を開始。午後には149円90銭まで下げ幅を縮小したが上値は重く、結局は7銭安の149円85銭で引けた。

  現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の345回債利回りは、日本相互証券が公表した前週末午後3時時点の参照値から1ベーシスポイント(bp)上昇の0.09%で推移した。

  みずほ証券の辻宏樹マーケットアナリストは、「海外金利が上昇するなど欧米市場でのリスクオンを受けて日本国債の利回りも上昇圧力がかかっている」と指摘。一方、「日米首脳会談では、トランプ大統領から為替相場や日銀の金融緩和に関する批判的な言及というテールリスクは回避され、無風で通過し、国債買い入れオペに対する日銀の姿勢をめぐる市場の不安感は後退した」とみる。

  10日の米株式相場は主要株価指数は再び最高値を更新した。トランプ大統領が約束した法人税改革が材料視された。一方、米国債相場は下落し、10年債利回りは1bp 上昇して2.41%となった。

日米首脳会談   

安倍首相とトランプ大統領
安倍首相とトランプ大統領
Bloomberg

  安倍晋三首相とトランプ大統領は10日、米国のホワイトハウスで初めての日米首脳会談を行い、マクロ経済政策や貿易枠組みなど分野横断的な経済対話を行っていくことで合意した。安倍首相は会談後の会見で、日米経済対話の狙いについて、「アジア太平洋地域に自由かつルールに基づいた公正なマーケットを日米両国のリーダーシップの下で作り上げていく」と説明した。

  この日の東京株式相場は続伸。日米首脳会談を波乱なく通過したことが好感され、日経平均株価は前週末比で一時100円を超える上昇となった。結局、80円22銭高の1万9459円で引けた。ドル・円相場は一時1ドル=114円17銭と、1月30日以来の水準までドル高・円安が進んでいる。

日銀金利抑制姿勢

  日銀は3日の長期国債買い入れオペで残存期間「5年超10年以下」の買い入れ額を当初の予定から400億円多い4500億円とした上、同ゾーンの指し値オペを実施。6日と8日の買いオペでも同ゾーンを増額したままで買い入れた。10日には10年超の国債買い入れ額を前回から増額した。

  みずほ証の辻氏は、「日銀は5-10年の買い入れや指し値オペの発動も含め、10年債利回りは0.1%を大幅には上回らせたくないようだ」と指摘。「超長期ゾーンのオペ増額については、超長期金利の抑制自体が目的なのか、超長期金利を介して誘導目標である長期金利を止めにいっているのか、日銀にしか分からない」とした上で、「いずれにせよ、いったん金利は低下しやすくなる」とみる。

過去の日銀国債買い入れオペ結果はこちらをご覧下さい。

  東海東京証券の佐野一彦チーフ債券ストラテジストは、「直近のイールドカーブをマイナス金利政策導入決定の翌営業日と比較すると、既に中期から15年辺りまでのゾーンが上回っている。それ以降のゾーンもかなり近づいている」と説明。「マイナス金利政策は無担保コール翌日物金利のマイナス化が主たる目的だが、その波及という点からすれば、超長期ゾーンも含めてこれ以上の放置は強力な金融緩和という理解に反しよう」と指摘する。

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