フランスのルノー日産自動車の最高経営責任者(CEO)を兼任するカルロス・ゴーン氏は10日、フランス政府がルノー株を売却すれば、日産が関与を高めることに道を開き、資本関係の不均衡な状態の修正が可能になるとの見通しを示した。

  ゴーン氏はルノーの決算発表後にアナリストに対し、「フランス政府が手を引き次第、あらゆる可能性が開かれる。それほど長い時間はかからないと言えるだろう」と語った。

カルロス・ゴーン氏(2月10日)
カルロス・ゴーン氏(2月10日)
Photographer: Marlene Awaad/Bloomberg

  ルノー・日産連合は自動車業界で最も成功した資本提携だが、出資関係の不均衡が緊張を招いてきた。日産がこのパートナーシップに利益面で最も大きく貢献しているにもかかわらず、日産が保有するルノー株は15%にとどまり、議決権が付いていない。一方、ルノー側は45%出資している。日産は発言力を高めることを目指してきたが、ルノーに約20%出資する筆頭株主であるフランス政府に阻まれてきた。

  フランス政府は2015年4月、ゴーン氏に事前に相談することなくルノーへの出資比率を15%から19.7%に高めた。株式を長期保有する株主に2倍の議決権を与える「フロランジュ法」を活用して影響力を強めることを狙ったが、その後、日産のガバナンスには干渉しないことに同意した。この出来事は、最も利益に貢献する日産よりもフランス政府の方が発言力が強いといった提携関係の弱点を浮き彫りにした。

  ルノー・日産の関係は、日産が昨年、三菱自動車に34%出資したことで複雑さを増した。3社の連合は、米ゼネラル・モーターズ(GM)に次ぐ世界4位の自動車グループ。

  フランス政府は財政赤字を埋め合わせるとともに不振の原子力産業を支援する財源確保のため、保有する企業株式の売却を求める圧力に直面している。4月に1回目の投票が行われる大統領選後、ルノーへの関与についても見直しが行われる公算が大きい。中道・右派陣営の候補であるフィヨン元首相は政府保有株を減らす考えを示している。一方、対抗馬のマクロン前経済・産業・デジタル相は、政府によるルノー出資比率引き上げの動きに関与していた。

  ゴーン氏は、フランス政府が行動するまでは何も変わらないと指摘した上で、「われわれは業務上、引き続き収束へと向かいながら別々のブランドとしてのアイデンティティーを維持する」と語った。

原題:Renault CEO Says France Sale Would Allow Nissan Stake Shift(抜粋)

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