日本政府が10日の日米首脳会談後に発表した共同声明は、米国の対日防衛義務を定めた日米安全保障条約第5条が尖閣諸島に適用されることなど従来の同盟関係を確認する一方、日本の役割拡大を前提にした日米の役割分担の見直しを外務、防衛当局間で協議するなど同盟を強化していく方針を打ち出した。

  共同声明は米国による日本防衛に関して「核および通常戦力の双方によるあらゆる種類」の軍事力を使った「コミットメントは揺るぎない」と明記。両首脳が外務、防衛担当閣僚に対し、日米の役割、任務、能力の見直しを含め、同盟をさらに強化する方策を特定するため、安全保障協議委員会(2プラス2)を開催するよう指示したことを明らかにした。

  拓殖大学海外事情研究所長の川上高司氏は電話取材に対し、英国のメイ首相に続いて安倍晋三首相がホワイトハウスに呼ばれたことは米英と並んで「日米同盟が重視されたという位置付けができる」と指摘。尖閣諸島への日米安保適用などが共同声明に盛り込まれたことについては「安保面では日本が米国に望んでいた通りのことを応えてくれて、同盟重視につながったということは間違いない」と語った。

  その上で、川上氏は前日に米中電話首脳会談が行われたことにも言及し、「米国は日中をてんびんにかけて、両方から経済的譲歩を引きだそうとする狙いも見え隠れする」とも話した。

  トランプ大統領は共同会見で、日本について「強固な同盟国」と言明。安倍首相は「米国は地域におけるプレゼンスを強化し、日本も積極的平和主義の旗の下、より大きな役割を果たしていく」と語っている。萩生田光一官房副長官によると、トランプ氏が大統領当選前に増額を求めていた駐留米軍経費については今回の首脳会談では話題にならなかった。

  トランプ政権とも関係が深い米シンクタンク、ヘリテージ財団の元上級研究員で政治アナリストの横江公美氏は11日、2プラス2では北朝鮮の核、ミサイル開発を踏まえた「東アジアでの日米の展開」や、サイバー、宇宙分野での協力が協議されるとの見通しを示した。

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