欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。

◎NY外為:ドルが週間で上昇の勢い-昨年12月以降で初

  10日のニューヨーク外国為替市場では、ドルが一時の上げを消して前日比ほぼ変わらず。ただ週間ベースでは12月以降で初の上昇となった。

  トランプ米大統領は9日、法人税改革の「驚異的な」プランが今後「2、3週間」内に発表されると発言。市場には財政投入による刺激策への楽観が戻り、ドルを支えた。

  10日の市場では、ロンドン市場での取引終了を控えた利益確定やポジション解消の動きが出る中で、ドルは一時の上げを失ったとトレーダーらは述べた。

  ニューヨーク時間午後5時現在、主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は前日比ほぼ変わらず。週間では0.7%上昇となった。

  ドルは対円でほぼ変わらずの1ドル=113円22銭。

  来週は米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長が半期に一度の議会証言を行う。市場では、年内2-3回の利上げ方針に変化がないか見極めようと注目が集まっている。イエレン議長が一部の金融当局者と同様に早ければ3月にも利上げがあり得るとのシグナルを発するかどうかが、ドルにとって鍵となる可能性がある。市場では3月利上げの確率は30%。

  この日はトランプ大統領と安倍晋三首相が会談。その後共同記者会見が開かれたが、会見では為替に関する具体的な議論には触れなかった。両首脳は、日米が議論を継続していくことで一致した。

  ただトランプ大統領は、通貨価値の切り下げについては長い間不満を述べてきたとも指摘。これを手掛かりに、ドルは一時113円を割り込む場面があった。ただその後、この発言は中国に向けたもののようだとの見方が広がると、ドルはすぐに戻した。
原題:Dollar Headed for First Weekly Gain of the Year(抜粋)

◎米国株:続伸、最高値更新-トランプ減税への期待で

  10日の米国株相場は続伸し、主要株価指数は再び最高値を更新した。トランプ米大統領が約束した法人税改革が材料視された。原油・商品相場の上昇でエネルギー株、素材株が押し上げられた。

  S&P500種株価指数は8.23ポイント(0.4%)上げて2316.10。ダウ工業株30種平均は96.97ドル(0.5%)高い20269.37ドル。ラッセル2000指数やナスダック総合指数を含め、主要株価指数は軒並み過去最高値を更新した。

  エネルギー株が前日に続いて大きく値上がりした。金融株は一時の下げを埋めて0.2%上昇。週間ベースでは3週連続上昇した。不動産株も下げから転じて0.6%上昇。S&P500種のセクター別でこの日下げたのは生活必需品だけだった。

  金融株が上昇に転じたきっかけは、金融業界に対して米連邦準備制度理事会(FRB)で最も厳しい目を光らせているタルーロ理事が4月5日前後に退任するというニュースだった。

  ルネサンス・マクロ・リサーチのエコノミスト、ニール・ダッタ氏はタルーロ理事退任のニュースが流れた直後、「銀行株を買おう」と顧客へのリポートで呼びかけた。
原題:U.S. Stocks Climb to Records as Oil Stocks Gain With Commodities(抜粋)
Financial Stocks Spike on Fed Regulatory Chief’s Plan to Resign

◎米国債:下げ渋る、トランプ氏「一つの中国」確認で下落後

  10日の米国債は下落。トランプ米政権が前日に中国の習近平国家主席との電話会談で「一つの中国」政策を確認したことから、世界的に安全資産の需要が後退した。ドルが対円で伸び悩むのにつれて、米国債相場は下げ幅を縮めた。

  ニューヨーク時間午後5時現在の10年債利回りは1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%) 上昇して2.41%。欧州債も総じて下げた。

  最近の米国債利回りはドル・円相場に連動している。この日は米取引時間帯にドルが対円で上げ幅を縮小したのに伴い、米国債利回りはこの日の高水準から下げた。昨年11月8日の米大統領選挙投票日の米10年債利回りは1.80%だったが、12月15日には2.60%まで上昇した。同様にドルは対円で105円から119円程度に上昇した。

  利回りがこの日の高水準から下げるとイールドカーブはフラット化した。5年債と30年債の利回り差は4日連続で縮小し112.5bpと、1月27日以来の低水準となった。来週行われるイエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長の議会証言で、市場が織り込む3月利上げの確率が高まる可能性があるとの見方も、イールドカーブのフラット化につながった。

  週間ベースでの利回りはわずかに低下、5年債利回りは2.5bp下げた。米財政刺激策が近く発表されるとの観測が遠のいたほか、フランス選挙戦をめぐるリスクなどから安全資産の需要が高かったが、トランプ大統領が9日に法人税改革の「驚異的な」プランが今後「2、3週間」内に発表されると述べたことや、米国債入札による供給圧力などで、利回りの下げは縮小された。
原題:Treasuries Pare Declines Spurred by China Policy Assurance(抜粋)

◎NY金:小幅下落、トランプ大統領が税改革を約束で

  10日のニューヨーク金先物相場は小幅下落。トランプ米大統領が法人税改革案を今後数週間に発表すると約束したことが背景。

  ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物4月限は前日 比0.1%安の1オンス=1235.90ドルで終了。

  この税制計画が「価格の重しになっている」-オイゲン・ワインベ ルク氏(フランクフルト在勤)らコメルツ銀行のアナリスト。
原題:Gold Retreats from Highest Since November on Trump Tax Promise(抜粋)

◎NY原油:続伸、OPEC減産順守率が過去最高-需要も増加

  10日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物が続伸。石油輸出国機構(OPEC)の減産順守率が過去最高の90%に達したことが、国際エネルギー機関(IEA)の月報で明らかになった。主要産油国のサウジアラビアは合意を上回る減産を実行した。一方で石油需要は予想以上に増加したことも分かった。

  USバンクでプライベート・クライエント・グループの地域投資マネジャーを務めるマーク・ワトキンス氏(ユタ州パークシティ在勤)は「OPECの順守率90%は実に明るい数字だ」と評価。「OPECの信頼性がここまで高くなったのは久しぶりだ。原油価格を支援することに真剣な姿勢が証明された」と述べた。

  ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物3月限は前日比86セント(1.62%)高い1バレル=53.86ドルで終了。週間では3セント上昇した。ロンドンICEの北海ブレント4月限は1.07ドル(1.9%)上昇の56.70ドル。
原題:Oil Jumps as IEA Sees Record OPEC-Cuts Compliance, Rising Demand(抜粋)

◎欧州株:1年ぶり高値に接近-企業決算と中国統計を好感

  10日の欧州株式相場は小幅上昇し、指標のストックス欧州600指数は約1年ぶり高値に接近した。予想を上回る企業決算が相次いだほか、中国の輸出が予想以上に増えたことを手掛かりに鉱業株が買われた。

  ストックス600指数は前日比0.2%高の367.39で終了。2015年12月以来の高値まで1ポイント未満となった。鉱業株指数は3.6%上げた。年初来では11%高と、業種別19指数の中で上昇率首位。

  鉄鋼会社アルセロール・ミタルは9.3%急伸。鉄鉱と鉄鉱石の値上がりを追い風に同社の2016年決算は20%増益となった。

  一方、銀行株指数は0.8%下落、1月26日に付けた年初来高値を3.9%下回る水準となった。フランスのソシエテ・ジェネラルは3%、ドイツのコメルツ銀行は2.4%それぞれ値下がり。
原題:Europe Stocks End Week Near Highest Since 2015 After China Data(抜粋)

◎欧州債:ギリシャ債上昇-支援に関する債権団の新提案に期待

  10日の欧州債市場ではギリシャ国債が大幅上昇。通貨同盟を脅かす危機の再燃を回避するための合意への期待が広がった。

  事情に詳しいユーロ圏当局者によれば、ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)のデイセルブルム議長(オランダ財務相)と欧州安定化メカニズム(ESM)のレグリング専務理事が10日ブリュッセルで、ギリシャのツァカロトス財務相に新たな支援策を提示する。

  ギリシャと債権団は、約60億ユーロのギリシャ国債が7月に償還期限を迎える前に追加支払いに道を開くため、支援をめぐる検証作業の完了を急いでいる。

  ブリュッセルで匿名で発言したギリシャの当局者は、10日に合意が成立することは想定されていないと述べ、この日の協議結果への期待抑制を図った。

  ギリシャ2年債利回りはロンドン時間午後4時33分現在、前日比130ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の8.73%となった。9日には5カ月ぶり高水準に達していた。

  一方、欧州債の指標とされるドイツ10年債利回りは0.9bp上昇の0.32%。
原題:Greece Faces Creditors in Brussels in Bid to Salvage Talks (1)(抜粋)
Euro-Area Government Bonds End-of-Day Curves and Cross Spreads(抜粋)

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