2月第3週(13-17日)の日本株相場は堅調に推移しそうだ。トランプ米大統領の経済政策への期待が再燃し、米経済の改善を見込んだ買いが入りそうだ。四半期決算の発表が終盤に入り、業績への安心感も高まっている。

  トランプ大統領は9日、2-3週間以内に税制について驚異的な何かを発表すると発言した。政策が経済成長を加速させるとの期待が日本株の追い風となる。米国では15日に1月の小売売上高、16日には住宅着工件数が発表される。ブルームバーグがまとめた小売売上高(除く自動車)の市場予想中央値は前月比0.4%増と、前回の0.2%増から増加幅拡大が見込まれている。堅調な経済指標に加え、イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長が14、15日に行う議会証言次第で、為替はドル高・円安に振れやすくなる。

トヨタの決算発表の様子
トヨタの決算発表の様子
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  国内では業績予想の上方修正が相次いでいる。SMBC日興証券によると、9日までに2016年4-12月期決算の発表を終えたTOPIX採用銘柄のうち、今期経常利益予想を上方修正した企業は18%と、下方修正の6.6%を大きく上回る。現為替水準が続けば、来期は10%程度の増益が見込めるとの見方が強い。

  ただ、トランプ大統領の発言や大統領令をめぐる混乱は不透明要因として日本株の上値を抑えそうだ。サンフランシスコの米連邦高裁は9日、入国制限の米大統領令を復活させるよう求めていたトランプ政権の申し立てを認めないと判断。政権側が最高裁に上訴する可能性が高まった。第2週の日経平均株価は週間で2.4%上昇して1万9378円。2か月ぶりの上昇率を記録しており反動売りも出やすい。

《市場関係者の見方》
岡三アセットマネジメントの前野達志シニアストラテジスト
  「国内企業の決算発表では上方修正が続いており、来期も10%弱ほどの増益が期待できる。トランプ米大統領の財政政策への期待は根強い。就任後は政策の悪い面ばかりが前面に出て警戒されたが、減税やインフラ投資をすれば経済は良くなり、米金利上昇、円安・日本株高の方向にある。イエレンFRB議長は議会証言で利上げに言及しないだろう。利上げ観測が後退し円高に振れたが、年2回なら円安方向。ただトランプ氏の発言に市場は振らされており、投資家はまだ自信を持てていない。大幅な上昇は見込みにくい」

三井住友アセットマネジメントの石山仁チーフストラテジスト
  「米国景気の改善基調は続いている上、日本企業の決算も悪くなく、相場を下支えする。米国の経済指標は1月分も好調が続くとみており、ドル安・円高が進まないことは日本株に追い風。1ドル=110円台で推移すれば、17年度は2桁増益も見えてくる。市場にはトランプ米大統領の減税に期待があるうえ、中国との関係も悪化する状況でなく、行き過ぎた円高が戻ってもおかしくない。ただし、トランプ氏の発言次第で円高が進む可能性もある」

ニッセイ基礎研究所の井出真吾チーフ株式ストラテジスト
  「3月の米利上げはないとみるが、米国の労働市場の堅調ぶりなど背景に、イエレンFRB議長は利上げに前向きな姿勢を示すだろう。米金利上昇やドル高・円安が日本株をサポートする。日米会談を終えて安心感も広がる。ただし、最近の円安に伴う今期業績の上振れは株価に織り込まれた。1ドル=120円までの円安は見込めず、発射台が高くなることで来期は5%程度の増益にとどまろう」

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