10日の東京外国為替市場ではドル・円相場が1ドル=113円台後半に続伸。トランプ米大統領による財政政策やインフラ投資に対する期待が高まったほか、日米首脳会談への警戒が和らいだことから、ドルの買い安心感が出た。日本銀行が超長期国債の買い入れを増やしたこともドル高・円安を後押しした。

  午後4時20分現在、ドル・円相場は前日比0.4%高の113円70銭。ドル高・円安が進行した前日の海外時間の流れを引き継ぐと、午前10時10分の日銀による国債買い入れオペの通知時刻にかけて上昇幅を拡大し、113円80銭まで上伸。その後も高値圏で推移した。前日の海外時間には約1週間ぶりに113円台を回復していた。

  ソシエテ・ジェネラル銀行東京支店の鈴木恭輔為替資金営業部長はドル・円の上昇の背景について、ニューヨーク市場の流れを引き継いだ上、「日米首脳会談について為替が最優先課題ではないことが報じられたことも買い安心感につながった」と説明した。日本時間11日未明に日米首脳会談が控えているものの、「上昇のモメンタムができているので日米首脳会談に向けて期待と警戒が交錯しながら、114円を意識する動きになるかもしれない」との見通しを示した。

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  NBCフィナンシャル・マーケッツ・アジアのディレクター、デービッド・ルー氏(香港在勤)はトランプ発言や日米首脳会談への警戒感の低下に加え、日銀がこの日の長期国債買い入れオペで10年超の超長期債買い入れを増額したこともドル・円の上昇要因として指摘。「金利抑制姿勢を示したことが円安材料につながっている」との見方を示した。

  ホワイトハウスのスパイサー報道官は9日、記者団に対して、1986年以降で最も包括的な法人・個人税制の抜本的改革をまとめていると述べた。さらに日米首脳会談をめぐっては、米政府当局者が「為替操作」の問題は会談の優先議題ではないことを明らかにした。

  トランプ米大統領の税制改革について、三菱UFJ信託銀行資金為替部・戦略トレーディング課の池島俊太郎課長は「これからは2月28日の連邦議会での演説に向けて、詳細が出てくるかどうか」が焦点と指摘。トランプ大統領の発言で税制改革に向けた調整が進んでいることは示されたが、「実際に法人税改革などは議会の承認が必要で、財源の問題などもあり、折り合いをつけるべきところは多い」との見方を示した。

  来週は、14日と15日にイエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長の議会証言が行われる。池島氏は「足元で米金利は低下していたが、賃金の伸びが弱かった以外、米経済指標そのものは堅調で、年3回の利上げ見通しを覆す材料はない」とし、「議会証言がハト派的にはならないだろう」と述べた。

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