サンフランシスコの米連邦高裁は9日、入国制限の米大統領令を復活させるよう求めていたトランプ政権の申し立てを認めない判断を全員一致で下した。この高裁判断により、大統領令の緊急差し止め命令に伴うイスラム7カ国からの避難民やビザ保有者の入国は維持されることになった。

  トランプ大統領が1月27日に署名した同大統領令に対し、シアトルの連邦地裁判事は2月3日に西部ワシントン州とミネソタ州の訴えを認めて緊急差し止めを命令、トランプ政権が連邦高裁に不服を申し立てていた。今回の高裁判断でトランプ政権が最高裁に上訴する可能性が高まった。

入国制限への反対デモ
入国制限への反対デモ
Photographer: Jeenah Moon/Bloomberg

  同判断が示された数分後、トランプ大統領はツイッターに、「法廷で会おう。米国の安全保障がかかっている!」と投稿した。

  今回の高裁判断はワシントン、ミネソタ両州の勝利というだけでなく、入国制限が自社の国際事業を阻害すると裁判所に書面で訴えたフェイスブックやグーグル、マイクロソフトにとっても白星を意味する。

  3人の判事は全員が連邦地裁の仮処分の維持で一致した。判事らは米国民は「自由な移動と家族の別離回避、差別からの自由に利害関係を持つ」と述べた。

  入国制限令に対し、全米各地の裁判所で訴訟が相次いで起こされている。同大統領令に反対する人々は、法の適正手続きに反しており、平等な保護を受ける権利を侵害すると主張。さらに同大統領令は信教の自由を保証した憲法にも違反していると述べている。

  米司法省の報道官は、政府は現在、高裁判断の書面を読んで選択肢を検討していると述べるにとどめ、大統領のツイートでの発言以外のコメントを直ちに出すことは控えた。

  ワシントン、ミネソタ両州は入国制限によって住民と企業が損害を被ったと主張。これにフェイスブックとグーグル、マイクロソフトが意見書で加勢したほか、ケリー前国務長官とオルブライト元国務長官、パネッタ元中央情報局(CIA)長官、ライス元米国連大使らも支持を表明した。

  入国制限令をめぐる法廷闘争は今後も続くことになる。これまでの争点は差し止め命令の是非だったが、今後、裁判所はより本質的な問題を審理することになる。シアトルの連邦地裁のジェームズ・ロバート判事は既に、両州が大統領令差し止めを求める訴訟を起こす権限があるどうか、そしてトランプ大統領の入国制限令がイスラム教徒を差別しているかどうかに関して追加陳述書を提出するよう双方に命じている。
  
原題:Trump Dealt Major Setback as Appeals Court Sides With Immigrants(抜粋)

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