10日の東京株式相場は大幅反発。日米首脳会談への警戒が和らぎ、米国の経済刺激策期待の再燃から為替がドル高・円安方向に振れたことが好感された。業績期待の広がりで自動車など輸出株を中心に銀行や鉱業、陸運株など東証1部33業種は全て高い。東証1部の売買代金はことし最高。

  TOPIXの終値は前日比33.01ポイント(2.2%)高の1546.56、日経平均株価は471円26銭(2.5%)高の1万9378円93銭。両指数とも上昇率は大発会の1月4日以来、ことし2番目の大きさ。

  損保ジャパン日本興亜アセットマネジメントの狩野泰宏シニア・インベストメントマネージャーは、日米首脳会談について「きのうまでは為替を含めトランプ氏の広義の保護主義的な面について悲観の方が支配的だった」と指摘。先行きが読めず、「いったん売りポジションをニュートラルに戻す動きが出た」と言う。買い戻しが出やすい背景として、「日本株は企業業績が増益に転換するタイミングで、バリュエーションも高くない」点を挙げた。

東証内
東証内
Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  安倍晋三首相は米時間10日、トランプ米大統領の就任後では初の日米首脳会談をワシントンで行う。会談では、トランプ大統領が以前批判した日本の為替操作問題は優先議題ではない、と米政府当局者が明らかにした。また、トランプ米大統領は9日、米航空各社の幹部との会合で、2-3週間以内に税制について驚異的な何かを発表すると述べた。

  きょうの為替市場では、一時1ドル=113円80銭と前日の日本株終了時点112円19銭からドル高・円安方向に振れた。政策で経済が活発化するとの見方から、9日の米10年債利回りは2.4%と8ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇。また、トランプ米大統領が中国の習近平国家主席との初の電話会談で、「一つの中国」政策を確認したことがホワイトハウスの9日の声明で明らかになった。

  野村証券の尾畑秀一マーケットエコノミストは、「経済と政治が綱引きすると、必ずしもファンダメンタルズが勝つわけではないことは過去見せつけられている。政治が本気なら、円高が対ドルで20円程度は進む」とし、日米首脳会談で為替の優先順位が高くないことが分かったことは日本株にとって「最も大きかった」とみる。

  このほか、トランプ大統領は米国の空港や鉄道システムは時代遅れで道路もひどいとし、インフラ改善に取り組む考えをあらためて示唆。中国と日本には「高速鉄道が至る所にある。われわれにはない」とも発言した。SBI証券の藤本誠之シニアマーケットアナリストは、トランプ氏の減税政策について「幅や率など数字的に大きいものが出てくる可能性があるほか、米国の雇用を増やした企業には減税、減らした場合は増税という枠組みも考えられる」と予想。これらの政策は米金利の上昇を通じて円安要因になり、日本企業にも「トータルでプラス」との認識を示した。

  東証1部33業種の上昇率上位はゴム製品、鉱業、海運、輸送用機器、不動産、陸運、銀行など。売買代金上位では三菱UFJフィナンシャル・グループやトヨタ自動車が高く、信越化学工業や三菱電機といった米インフラ投資で恩恵を受ける銘柄も買われた。半面、今期利益計画が予想を下回った資生堂は急落、営業利益計画を下方修正した三菱マテリアルは安い。

  東証1部の売買高は22億4275万株、売買代金は2兆7570億円で、代金は昨年12月16日以来の高水準。値上がり銘柄数は1707、値下がりは230。きょうの取引開始時に算出された日経225オプション2月限の特別清算値(SQ)は、ブルームバーグ・データの試算で9日の日経平均終値(1万8907円67銭)を368円42銭上回った。

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