欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。

◎NY外為:ドルほぼ全面高、トランプ氏税制発言で市場に楽観戻る

  9日のニューヨーク外国為替市場では、ドルがこの日の高値付近で推移。トランプ大統領が米航空各社の幹部に対し、今後2、3週間で税金という面で何らかの発表を行うと表明したことで、財政面での刺激策が米経済を活発にし、このところ失速している「トランプ・トレード」が勢いを取り戻すとの楽観が広がった。

  ドルは対円を中心に上昇。対円では1%余り上げた。今週は111円60銭に下げる場面もあった。トランプ氏の発言が伝わった後は米国債利回りが上昇し、ダウ工業株30種平均は過去最高値に上昇した。

  ドルは円に対しこの日の高値付近を維持しており、他の通貨に対しても上昇している。米政府当局者は、トランプ米大統領が批判した日本の「為替操作」の問題は10日の日米首脳会談の優先議題ではないと語った。

  ニューヨーク時間午後5時現在、ドルは円に対し前日比1.2%高の113円25銭。主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.3%上昇。

  ユーロはドルに対し0.4%安の1ユーロ=1.0655ドル。

  トランプ大統領はこの日、ホワイトハウスで米航空会社や空港運営会社のトップらと会談し、「アメリカの空港や鉄道システムは時代遅れで、道路もひどい」と指摘。「他と同じようにあなたたちは規制を受けているだろう。これから2、3週間で税金という面では驚異的な何かを発表するつもりだ」と続けた。  

  この日は米北東部で大雪となり、市場の商いにも若干影響した。
原題:Trump Tax Talk Reinvigorates Dollar to Gains Against Most G-10(抜粋)

◎米国株:上昇、過去最高値を更新-トランプ減税への期待が復活

  9日の米国株式相場は上昇、主要株価指数が過去最高値を更新した。トランプ大統領が税制について「驚異的な何か」を発表すると述べたことが手掛かり。週間新規失業保険申請件数が予想外に減少したことも朝方の相場を支えた。コカ・コーラやケロッグ、ツイッターなど四半期決算が引き続き注目されている。

  S&P500種株価指数は13.20ポイント(0.58%)上げて2307.87。ダウ工業株30種平均は118.06ドル(0.59%)高い20172.40ドル。ナスダック総合指数とナスダック100種指数を含め、主要株価指数はいずれも過去最高値を更新した。

  トランプ大統領による規制緩和などの約束を受けて、航空株が買われた。ダウ平均採用銘柄ではナイキが好調。2.65%上げて上昇率首位となった。

  ドブラフコ・ラコスブハス氏率いるJPモルガン・チェースのストラテジストチームは、税制改革と国境税でS&P500種の1株利益は8ドル押し上げられると分析、国内エクスポージャーが大きく輸入への依存率が低い高マージン、低レバレッジの企業が特に恩恵を享受するとリポートで説明した。

  S&P500種のセクター別ではエネルギーが4営業日ぶりに上昇。原油価格の続伸を好感した。金融は今週初の上昇。銀行株指数ではリージョンズ・ファイナンシャルやシティズンズ・ファイナンシャルなど採用17銘柄がすべて上昇した。一方、10年物米国債利回りの上昇を背景に、公益事業と素材は下落。

  米労働省の発表によると、4日終了週の失業保険申請件数は前週比で1万2000件減少して23万4000件。ブルームバーグがまとめたアナリスト予想の中央値は24万9000件だった。
原題:U.S. Stocks Set Records After Jobs Data as Banks, Energy Rally(抜粋)
Reflation Trades Show Signs of Life on Trump Taxes: Markets Wrap (抜粋)
Tax Reform, Border Adjustment May Boost S&P 500 EPS by $8: JPM

◎米国債:下落、トランプ大統領の税制発言で-利上げ確率が上昇

  9日の米国債は下落。トランプ米大統領が2-3週間以内に税制について発表すると述べたことから、この日はドルと株が上昇した。

  午後に入ると四半期定例入札の30年債入札(150億ドル)が実施された。入札前に同年債利回りは3%を上回った。ニューヨーク時間午後5時現在の30年債利回りは6ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%) 上昇して3.00%。10年債利回りは8bp上げて2.40%。

  トランプ大統領の税制に関する発言を手掛かりに、市場では6月までの米利上げ確率が上昇した。

  入札結果によると、最高落札利回りは3.005%。締め切りの午後1時の同年債利回りは3.007%だった。プライマリーディーラー(政府証券公認ディーラー)の落札に占める割合は28.9%。過去4度の30年債四半期入札の平均値は31%となっている。外国の中央銀行や投資信託を含む間接入札者の落札が低下した一方で、直接入札者は増加した。

  朝方はフランスの大統領選挙戦に伴う政治的リスクが一段と後退したことが米国債利回りを押し上げた。

  5年債と30年債の利回り差は約1bpスティープ化して115bp付近。過去2営業日で5.6bpフラット化していた。

  セントルイス連銀のブラード総裁の発言後に同利回り差は116bpとなった。ブラード総裁は「政策金利が引き上げられたことから、連邦公開市場委員会(FOMC)は再投資の終了、ないしバランスシートの規模縮小をより容認しやすい状況にあるかもしれない」と述べた。
原題:Treasuries Fall After Trump Says Tax Plan Coming Soon(抜粋)
 

◎NY金:下落、南ア共和国での生産減受けプラチナは4カ月ぶり高値

  9日のニューヨーク金相場は下落。プラチナは南アフリカ共和国での生産減少を背景に、昨年10月以来の高値に上昇した。

  RJOフューチャーズ(シカゴ)のシニアマーケットストラテジスト、フィル・ストライブル氏は電話インタビューで、「南アフリカの生産は重要な要素で、最大の手掛かり材料だ」と指摘。プラチナと金は「引き続き上昇するだろう」と述べた。

  ニューヨーク時間午後2時20分現在、プラチナスポット相場は前日比0.2%高の1オンス=1018.73ドル。一時は1029.03ドルと、昨年10月3日以来の高値をつけた。トランプ米大統領が税制について発表すると述べたことを受け、ドルが上昇したことから、プラチナは上げ幅を縮小した。

  金相場は0.5%安の1オンス=1234.89ドル。銀は下落。パラジウムは上昇した。
原題:Platinum Soars to Four-Month High on Lower Output in Top Miner(抜粋)

◎NY原油:続伸、ゴールドマンが供給超過の解消を予想

  9日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物が続伸。ゴールドマン・サックス・グループは米原油在庫が今は増加しても、石油輸出国機構(OPEC)や他の産油国の減産効果でいずれ供給超過は解消されるとの見通しを示した。

  フロスト&サリバン(ヒューストン)の石油・ガス担当ディレクター、 カール・ラリー氏は電話取材に対し、「OPEC減産は前面に出てくる」と予想。「今は在庫水準が高いが、そのうちOPECの意志が鮮明になる。原油価格を押し上げることに真剣であり、必要とあれば追加の行動も辞さない構えだと思う」と述べた。

  ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物3月限は前日比66セント(1.26%)高い1バレル=53.00ドルで終了。ロンドンICEの北海ブレント4月限は51セント(0.9%)上昇の55.63ドル。
原題:Oil Rises Second Day as Goldman Sachs Sees OPEC Clearing Surplus(抜粋)

◎欧州株:2週ぶり高値-銀行株と石油・ガス株に買い

  9日の欧州株式相場は3日続伸。指標のストックス欧州600指数は2週間ぶり高値で引けた。フランスの銀行ソシエテ・ジェネラルの利益が予想を上回ったことを手掛かりに銀行株が買われた。石油・ガス株の上げも目立った。

  ストックス600指数は前日比0.8%高の366.79で終了。これは終値ベースで1月26日以来の高値。銀行株指数は1.3%上昇。トランプ米大統領は規制を緩和し画期的な税制改革案を発表すると約束した。ストックス600は1月26日の今年の高値を依然として3.1%下回っている。欧州の政治リスクをめぐる懸念が背景にある。

  石油・ガス指数は4営業日ぶりに上昇。原油が値を戻したほか、仏石油会社トタルの四半期利益が予想を上回ったことが好感された。ソシエテ・ジェネラルは2.3%上昇。仏国内のコンシューマーバンキング部門の好調が寄与し、10-12月期の利益が予想を上回った。
  CMCマーケッツの主任市場アナリスト、マイケル・ヒューソン氏はリポートで、欧州企業の決算は比較的堅調なものの、域内の株式相場は年初からあまり回復していないとし、「投資家らはフランスとドイツ、オランダの政情とイタリア銀行問題および同国の総選挙の可能性、ギリシャ問題について見極めようとしている」と指摘した。
原題:European Stocks Rise to Two-Week High on Banks, Oil Companies(抜粋)

◎欧州債:ギリシャ債急落、2年債利回り10%台-債権者協議不調で

  9日の欧州債市場ではギリシャ国債が今週3日目の下落。2年物国債利回りは10%を上回った。同国債務の持続可能性をめぐる債権者間の意見相違で、支援策をめぐる検証作業が行き詰まっていることが背景にある。ユーロ圏の財務相らはこの日にブリュッセルでこの問題を協議する構えだが、直ちには状況が打開しない見通し。

  2019年償還債の売り気配と買い気配の利回り差であるビッド・アスク・スプレッドは、約50ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)となっている。

  バンク・ピクテ(ジュネーブ)のシニアエコノミスト、フレデリック・デュクロゼ氏は、ボラティリティについて「継続中のプログラム検証で合意がまとまるまで低下する根拠はない」とし、「最近の論調は時間がかかることを示唆している」と語った。

  ロンドン時間午後4時30分現在、ギリシャの2019年債利回りは69.4bp上昇の10.06%。ギリシャ株の指標であるアテネ総合指数は一時1%余り下げ、昨年11月以来の安値に沈んだ。

  一方、欧州債の指標とされるドイツ10年債利回りは1.5bp上げ0.31%となった。
原題:Greek Two-Year Bond Yield Crosses 10% Amid Creditor Dispute(抜粋)
Euro-Area Government Bonds End-of-Day Curves and Cross Spreads(抜粋)

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