9日の東京外国為替市場ではドル・円相場が1ドル=112円台前半に反発。今週は注目の日米首脳会談を前に111円台半ばで下支えされる展開が続いている。ニュージーランド・ドルはNZ準備銀行(中銀)が緩和的な金融政策スタンスを示したほか、通貨高懸念を表明したことから下落した。

  午後4時25分現在のドル・円相場は前日比0.3%高の112円29銭。朝方に111円74銭まで売られたが、仲値にかけて持ち直すと一時112円34銭まで上値を伸ばした。前日の海外市場では米国債利回りの低下に連れて一時111円63銭まで下落した後、112円台まで値を戻す場面もあった。

  野村証券外国為替部の高松弘一エグゼクティブ・ディレクターは、日米首脳会談を控えた為替市場参加者の心理について「トランプ米大統領が為替について何かを言及するリスクがある以上、ドル・円の下落リスクはヘッジしなければならない一方、上昇見通しのために買っておくのはためらわれるという状況」と説明。それが故にドル・円の上昇が上がりづらいと指摘した一方、111円半ばの底堅さについて「為替発言に対する警戒もどこか懐疑的に見ている可能性を示している」と述べた。

  バンク・オブ・アメリカ(BOA)外国為替本部の岩崎拓也営業本部長は、ドル・円相場について、「このまま111円半ばから112円半ばのレンジを維持したまま、日米首脳会談を迎える可能性がある」と述べた。同会談については、現地時間の午後と発表されていることから、「週明けの東京市場から反応というよりも、ある程度10日のニューヨーク市場で動きが出るのではないか」と予想している。

  安倍晋三首相は10日にワシントンで、トランプ米大統領と初の日米首脳会談に臨む。日本側は会談で、麻生太郎副総理とペンス米副大統領をトップとした新しい日米の経済協議の枠組みを提起する方針だと、日本経済新聞が9日付朝刊で報じた。また、米通商政策に関連して為替に対する協議の行方も注目されている。

  みずほ証券投資情報部の由井謙二シニアFXストラテジストは「米通商政策における為替政策には不透明感が高く、警戒感は強い」としながらも、「トランプ大統領の発言をみる限り、ビジネス界を相手にドル安志向を打ち出しているが、安倍首相との会談では直接的には言わず、国内との使い分けをしていくるのではないか」とみている。

  NZドルは主要通貨に対して全面安。対ドルでは一時前日比1.0%安の1NZドル=0.7192ドルと1月23日以来の水準まで売られた。

  NZ準備銀行は9日、オフィシャル・キャッシュレートを過去最低の1.75%に据え置いた。ブルームバーグの調査ではエコノミスト全員が金利据え置きを予想していた。インフレ率は目標へと緩やかに回復するとした上で、金融政策は「今後もかなりの期間、緩和的になる」との見通しを示した。また、NZドルについて、引き続き均衡成長のための持続的水準より高いとし、「為替レートの下落が必要」と言及した。

  みずほ証券の由井氏は「堅調な商品市況などはNZ経済にとって良い材料ではあるものの、物価が緩やかに回復する中で、引き締め効果につながる通貨高は避けたいということなのだろう」との見方を示した。

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