日本銀行の中曽宏副総裁は9日午後、高知市内で会見し、経済や物価に対する見方が改善した場合、それに見合った形で長期金利操作目標を引き上げても、金融の緩和度合いを減じることにはならないと述べた。

  中曽副総裁は「やや一般論的に言うと、日本経済や物価に対する見方が好転した場合、金利には上昇圧力が加わる。長短金利操作の下でそれを抑えて同じイールドカーブを保てば、実質金利が下がることを通じて、金融緩和の度合いが高まる筋合いだ」と指摘。

  その上で、「これを言い換えると、経済や物価に対する見方が改善した場合には、それに見合った形で長期金利操作目標を引き上げたとしても、金融の緩和度合いを減じることにはならない」と語った。

  もっとも、「現状では、2%の物価目標までにはなお距離があるので、これをできるだけ早期に実現するためには、現在の金融調節方針の下で、強力な金融緩和を推進していくことが適当と思っている」と述べた。

講演

  これに先立ち行った講演では、日銀が近い将来、長期金利操作目標の引き上げを検討するとの見方も一部にあることに触れた上で、2%物価目標の実現にはなお距離があるとして現在の金融緩和策を維持する考えを示した。

  中曽副総裁は1月末の展望リポートでも示したように、2%の物価目標に向けたモメンタムは維持されているものの、「力強さを欠いており、その実現にはなお距離がある」と指摘した。

  経済・物価見通しについても、「海外経済や中長期的な予想物価上昇率の動向などをめぐって引き続き下振れリスクが大きい」とした上で、こうした状況を踏まえると、「現在の局面においては、長短金利操作付き量的・質的金融緩和の下で、強力な金融緩和を粘り強く推進していくことが何よりも重要である」と語った。

  日銀は1月31日示した経済・物価情勢の展望(展望リポート)で、消費者物価指数(除く生鮮食品、コアCPI)の見通し(政策委員の中央値)を、16年度分を前年比0.1%低下から0.2%低下へ小幅下方修正したが、17年度は1.5%上昇、18年度は1.7%上昇といずれも据え置いた。

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