9日の日本株市場で、株価変動材料のあった銘柄の終値は次の通り。

  日立製作所(6501):前日比8%安の622.3円。三菱重工業(7011)は8日、南アフリカの資産譲渡をめぐり日立に約7634億円を請求した。昨年3月に示した約3790億円から倍増となる。日立は法的根拠に欠け、請求には応じられないとして協議継続の意向を示した。岩井井コスモ証券の西川裕康シニアアナリストは、最終的な結論がどうなるのか不透明で業績に対するインパクトが読めないため、国内外の機関投資家は日立への投資を敬遠するのではないか、と電話取材で語った。協議は長期化する可能性が高く株価のマイナス要因としてくすぶり続ける恐れがあるとみる。三菱重の株価は3.5%安の451円。

  東芝(6502):6.7%安の225.5円。みずほ証券は8日付リポートで、東芝株が上場廃止か東証2部降格となった場合の指数へのインパクトを試算、上場廃止の場合1545億円の売り需要が発生すると指摘した。また、日本経済新聞電子版は9日午後、東芝が14日に予定している2016年4-12月期の決算発表が延期されるのではとの懸念が市場で出ていると報じた。カブドットコム証券の河合達憲投資ストラテジストは、機関投資家やファンドはほぼ保有は減らしていると指摘。個人投資家が上場廃止などのケースを想定して売っているのではないか、との見方を示した。東芝の報担当者はブルームバーグの電話取材に対し、決算発表は従来通り14日に行う予定、と語った。

  荏原(6361):7.5%安の3195円。17年3月期営業利益を370億円から前期比13%減の330億円に下方修正する、と8日に発表。市場予想は375億円だった。16年4-12月期営業利益は風水力事業が悪化し、前年同期比45%減少した。クレディ・スイス証券は、弱めな10-12月期決算と通期業績予想の下方修正は予想外、割高感はないが利益確定売りに押されそうとの見方を示した。

  日清紡ホールディングス(3105):4.3%安の1040円。8日の決算会見で、トランプ米大統領の政策を踏まえ、メキシコでの自動車部品の工場建設計画を白紙する方針を明らかにした。岡三証券の小川佳紀シニアストラテジストは、米国では人件費がメキシコの数倍から10倍かかるという報道もあり、コスト負担が大きくなることが懸念されると指摘。北米自由貿易協定(NAFTA)がどうなるかも不透明で、米国に移すことによるプラス面はすぐには分かりにくいとみる。

  カネカ(4118):11%安の862円。16年4-12月期営業利益は前年同期比16%減の246億円だった、と8日に発表した。円高の進行やエレクトロニクス市場の需要低迷が響いた。SMBC日興証券は、前期比0.7%増の385億円を見込む通期計画は据え置いたが、達成に向けたハードルが高まった点で印象はネガティブとみる。外部環境に左右されず、四半期ベースで100億円以上の営業利益を安定的に確保できる収益構造の構築を課題として挙げた。

  SUMCO(3436):6.2%高の1868円。16年10-12月期営業利益は55億円だったと、8日に発表。市場予想の46億円を上回った。1-3月期は前年同期比94%増の70億円を見込む。野村証券は、微細化ウエハーなどハイエンド製品での生産性が予想以上に改善していると評価。8日付で投資判断を「ウエート下げ」から「中立」、目標株価を1000円から1780円に引き上げた。

  ブラザー工業(6448):8.5%安の1924円。16年10-12月期営業利益は前年同期比48%減の112億円だった、と8日に発表。同時に17年3月期営業利益計画を550億円から570億円に上方修正した。市場予想567億円。ゴールドマン・サックス証券は、プリンティング事業の営業利益水準の低下から来期への期待値はやや下がりし、ネガティブな株価反応を想定した。

  ディー・エヌ・エー(2432):2%高の2554円。16年10-12月期営業利益は前年同期比4%増の34億円だった、と8日に発表。未公表としていた17年3月通期計画は前期比5.5%増の209億円とした。クレディ・スイス証券は、10-12月期決算はキュレーション事業の減損処理を除くとほぼ想定線と分析。2月以降配信のスマートフォン向けゲーム「ファイアーエンブレム」が好調な中、悪材料の出尽くし感も出てくるとの見方を示した。

  ローツェ(6323):6.5%高の2345円。17年2月期営業利益計画を39億6600万円から前期比60%増の47億300万円に上方修正する、と8日に発表。市場予想は42億2200万円だった。韓国子会社でディスプレー製造装置の受注が好調で、年間配当予想も15円から23円に引き上げた。

  ニチレイ(2871):5.7%高の2475円。野村証券は8日付で目標株価を2400円から2600円に引き上げた。魅力的な商品投入、世帯構造の変化で冷凍食品市場の拡大が継続する中、生産体制の最適化やアイテムごとの収益管理徹底による効果が出て、収益性が改善していると評価。18年3月期以降は増益率の比較ハードルが高くなるものの、高い利益水準が続くとみる。

  銭高組(1811):6.9%安の448円。未定としていた17年3月期末の配当計画を1株5円にすると8日に発表した。前期実績の6円(普通配3円、記念配3円)から実質減配になる。同時に公表した今期業績修正は、工事の進捗(しんちょく)が予想を下回り売上高は従来計画を下回る前期比7.2%減の1068億円、採算改善で営業利益は14%上振れるが、30億8000万円と前期比では32%減を見込む。

  双葉電子工業(6986):3.8%安の1892円。16年4-12期営業損益は1億8900万円の赤字と、前年同期の10億900万円の黒字から悪化したと8日に発表。プレスやモールド金型用器材など主力の生産器材、自動車や音響向け需要の減少が続く蛍光表示管(VFD)など電子部品の低調で売上高が8.4%減少したことが響く。同時に17年3月通期営業損益計画も6億円の黒字から2億円の赤字に下方修正、前期は14億9300万円の黒字だった。

  不二製油グループ本社(2607):5.7%高の2358円。16年4-12月期営業利益は前年同期比25%増の157億円だったと8日発表。油脂部門や製菓・製パン素材部門ともに好調だった。同時に20年度にROE10%を目標などとする中期経営計画も発表した。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、第3四半期累計利益の計画比進捗率が高いなど、前期比16%増の196億円を見込む通期計画超過の確度は高いと指摘。新中期経営計画は成長と変化が期待できると評価した。

  ロート製薬(4527):4.4%高の2070円。16年4-12月期営業利益は前年同期比4.5%増の124億円だったと8日に発表。円高や中国経済減速の影響を受けた海外の低調で売上高は減少したが、販売・一般管理費の効率化で先行投資負担も吸収した。前期比17%減の131億円で据え置いた通期計画に対する進ちょく率は95%。クレディ・スイス証券は、第3四半期は27%増益と大幅に改善、高い進捗率に関して言えばポジティブ・サプライズ決算と指摘した。

  前田建設工業(1824):3.5%高の972円。16年4-12月期営業利益は前年同期比41%増の182億円だったと9日午後に発表。セグメント利益は建築事業で7割超の急増、インフラ運営では7.5倍に急拡大した。前期比4.3%増の195億円で据え置いた通期計画に対する進捗率は93%と高水準。

  KYB(7242):8.7%高の589円。17年3月期営業利益計画を154億円から185億円に上方修正すると8日に発表。営業利益予想の増額は今期3度目で、前期比では4.3倍となる。建設機械用油圧機器の販売が中国向けなどで好調な推移を見込む。

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