米連邦地裁判事は8日、医療保険会社アンセムによる480億ドル(約5兆3700億円)での同業シグナの買収計画を差し止めた。先月にはエトナによるヒューマナ買収も差し止められており、米医療保険業界の勢力図を一変すると見られていた2件の大型買収は頓挫した。

  首都ワシントンの連邦地裁のエイミー・バーマン・ジャクソン判事は、米独禁当局の訴えを認め、アンセムによるシグナ買収が保険会社間の競争を減らすため反トラスト法(独占禁止法)に違反するとの判断を下した。アンセムはこの結果、2015年7月の合意条件に基づき違約金18億5000万ドルをシグナに支払う義務を負う。

  アンセムによるシグナ買収がエトナによるヒューマナ買収と共に実現していれば、米大手医療保険会社数は5社から3社に減少し、アンセムが加入者ベースで最大手となるはずだった。

  シグナとアンセムの広報担当者に裁判所判断に関するコメントを求めたが現時点で返答はない。司法省の報道担当に電子メールでコメントを要請したが、返信はない。

  アナリストらはアンセムによるシグナ買収が反トラスト法上の審査で承認される可能性を疑問視していた。シグナの株価はアンセムからの現金と株式による買収提示額を大きく下回る水準で取引されていた。

  今回の差し止めを受けて企業の手元に資金が残ることになり、引き続き資金活用したい企業による新たなM&A(合併・買収)の観測が高まりそうだ。

原題:Anthem’s Bid for Cigna Blocked by Judge as Anticompetitive (2)(抜粋)

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