債券相場は超長期債を中心に上昇。前日の海外市場で欧米金利が低下した流れを引き継ぎ、買いが先行した。この日実施の30年債入札で最低落札価格が市場予想を上回ったことも買い安心感につながった。

  9日の現物債市場で、新発20年物の159回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値から3.5ベーシスポイント(bp)低い0.68%まで低下した。新発30年物の53回債利回りは3.5bp低い0.87%、新発40年物の9回債利回りは4bp低い1.02%まで買われた。長期金利の指標となる新発10年物国債の345回債利回りは0.5bp低下の0.085%で推移した。

  SMBC日興証券の竹山聡一金利ストラテジストは、「30年入札は事前に警戒感があった割にはしっかりの結果になった」とし、「このところ金利が上昇していた割にはボラティリティが低かったことや海外金利の低下がフォローになった」と指摘。ただ、「ヘッジコストの低下を受けて、ヘッジ付き米債の利回りも高く見えており、手詰まり感が解消されつつあることで、買い急ぐ動きもない」と言い、「上値の重さもある」としている。

  長期国債先物市場で中心限月3月物は前日比11銭高の149円83銭で取引を開始し、30年入札結果発表後には149円99銭まで上昇。結局は26銭高の149円98銭と、この日の高値圏で引けた。

30年債入札

  財務省がこの日実施した30年利付国債の価格競争入札の結果によると、最低落札価格が92円50銭と、市場予想の92円45銭を上回った。投資家需要の強弱を反映する応札倍率は3.23倍と、前回3.33倍から低下。小さければ好調を示すテール(最低と平均落札価格の差)は27銭と前回23銭からやや拡大した。

30年債入札結果はこちらをご覧下さい。

  JPモルガン・アセット・マネジメントの塚谷厳治債券運用部長は、「30年債入札は最低落札価格が予想より若干高く、応札倍率とテールもさほど悪くなかった」と指摘。「目先は先物ゾーンよりも長いところは買われやすく、金利は下がりやすいだろう」と話した。

欧米長期金利低下

トランプ米大統領
トランプ米大統領
Bloomberg

  8日の米国債相場は4日続伸。10年債の利回りは6bp低い2.34%程度と、1月18日以来の低水準となった。トランプ政権の財政刺激策に対する期待感が薄れていることが背景となった。欧州債も堅調で、ドイツの10年債利回りは0.29%と、1月17日以来の水準まで低下した。

  パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長は、「海外勢が欧米金利の急低下を見てショートをカバーしている感がある」と指摘した。

  超長期債利回り低下が大きくなったことについて、JPモルガン・アセットの塚谷氏は、「日銀が国債買い入れ規模を再度拡大しつつあるのと、トランプ米大統領の為替相場に対する口先介入で国内投資家の間で海外投資に対する不安が浮上しており、日本国債に目が向きやくなっている」と説明。「日銀の1-5年ゾーンのオペ見送り以降の金利上昇局面で債券先物のショートポジションが積み上がっており、海外金利の低下をきっかけに買い戻しが入りやすい事情もある」と述べた。

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