総合商社5社の2016年4ー12月期の連結決算(国際会計基準)が8日、出そろった。鉄鋼原料である原料炭や鉄鉱石価格の上昇を受けて、三菱商事三井物産などの純利益が2桁増益となった。一方、非資源の利益を伸ばした伊藤忠商事は同期としては2期連続で最高益を更新した。

  同日に決算を発表した三井物の純利益は前年同期比71%増の2303億円。金属資源分野の純利益が979億円と前年同期と比べて870億円拡大した。一過性利益の計上や前年同期に銅事業で減損を出した反動に加え、鉄鉱石事業の利益が増加した。松原圭吾最高財務責任者(CFO)は「競争力のある鉄鉱石資産を持っており、価格上昇に加えて近年のコスト削減の効果が継続している」と述べた。

  鉄鉱石価格は15年末に1トン当たり45ドル程度だったが、16年末には同80ドルへと8割弱上昇。同じく原料炭価格は中国での石炭鉱山の操業日数の制限などを背景に、1年前の同80ドルから16年12月には310ドルへと4倍弱にまで高騰した。原料炭事業に強い三菱商は資源分野の利益が前年同期の104億円から1808億円に拡大した。

  伊藤忠は食料事業が好調だったほか、中国政府系複合企業の中国中信集団(CITIC)グループからの持ち分法利益の拡大も寄与した。

  一方、前期に続いて資源事業での減損計上もあった。住友商事は市況見通しの引き下げや拡張計画を見直したとしてチリの銅事業で336億円の減損を計上した。ただ、前年同期にニッケルなどの資源分野で1116億円の減損を計上した反動もあり利益は改善した。丸紅は米メキシコ湾の石油ガス開発事業で埋蔵量の減少に伴い270億円の損失を出した。両社の資源事業の純損益は共に赤字となった。

  住友商の高畑恒一CFOは「減損損失の計上はあったが、全体としては業績は堅調に推移している」と指摘。17年1-3月期に鋼管事業や米タイヤ販売事業などで減損損失を計上する可能性はあるとしたが、石炭や亜鉛、銀などの価格が会社想定を上回っており「通期の純利益計画1300億円は十分達成可能」と述べた。

  丸紅は1-3月期に太陽光発電事業の譲渡益200億円を計上することなどから、通期純利益を従来予想の1300億円から1400億円へと上方修正。三菱商と三井物も通期純利益の見通しをそれぞれ引き上げた。三井物の松原CFOは「世界経済の不透明感は高まっており、商品市況の価格前提は比較的保守的にみている」と述べた。

【総合商社5社の16年4ー12月期の業績一覧】

純利益実績  通期予想進ちょく率
三菱商事3,715( 55%)  4,400( ---)   84%
伊藤忠3,003(6.9%)  3,500(46%)  86%
三井物産2,303( 71%)  3,000( ---)    77%
住友商事1,115( 82%)  1,300( 74%)  86%
丸紅1,077(-12%)  1,400(125%)  77%

(注:単位は億円、カッコ内は前年同期比%)

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