自動車販売の約6割を米国が占める富士重工業は、トランプ大統領の通商政策によってはスバルブランドの事業に大きな影響が出てくるという見方を示した。

  富士重の高橋充専務は8日の都内の決算発表会で、トランプ氏の輸入関税の引き上げ示唆を受けて、現時点で影響や対応の「シミュレーションはしていない」としながらも、場合によっては日本から輸出している部品を米国産に切り替えるなどの対応で増税のダメージを和らげる必要があるかもしれないと述べた。

LA自動車ショーのスバル車
LA自動車ショーのスバル車
Photographer: Patrick T. Fallon/Bloomberg

  富士重では米国販売が拡大しており、現地のインディアナと日本の工場からの輸出で対応している。トランプ氏が米国での生産や雇用増加を求める発言をしていることについて、高橋専務は、米工場では生産能力増強で2015年に比べ人員が1300人増えており、「少なからず雇用には貢献してきている」と話した。米工場の生産能力は16年比倍増の約40万台となっており、増強は「今後も確実にしていく」と述べた。

  一方、国内生産については米国と同時に増やしており、「米国増強が日本の空洞化を招くことはない」との認識を示した。国内で一極生産をしているエンジントランスミッションについては「外部環境が変われば柔軟に対応するが慎重に議論」すると述べるにとどめた。また、10日の日米首脳会談では「自由貿易体制を維持して世界経済発展に寄与するよう願いたい」と期待を表明した。

   富士重は同日の決算発表で、円安などを受けて、今年度の業績予想を上方修正した。今年度の世界販売は106万7500台に引き上げ、このうち米国が66万7400台と予想した。生産能力は、16年末で国内64万4000台、米国39万4000台となっており、18年度末にそれぞれ69万6000台、43万6000台とする計画だ。

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