イバンカ・トランプさんは今月1日、娘のアラベラちゃんを連れてワシントンの中国大使館を訪れた。黒のスポーツ型多目的車(SUV)を降りたイバンカさんは、待ち受けた崔天凱駐米大使と握手を交わした。

  中国の春節(旧正月)を祝うために大使館を訪問したイバンカさんとアラベラちゃんは伝統音楽に耳を傾け、工芸品を鑑賞し、人形と遊んだ。赤い服を着たアラベラちゃんが標準中国語の歌を歌っている映像を、イバンカさんはその後アップロードした。父親のトランプ大統領が慣例を破って個人的な新年の祝賀メッセージを送らなかったことに対して中国側から批判の声が上がったが、それを和らげた形だ。

  中国メディアはイバンカさんの訪問を称賛した。訪問前にはイバンカさんの夫で大統領上級顧問のジャレッド・クシュナー氏が崔大使と複数回にわたって会談。ホワイトハウス当局者は会談が非公開であったことを理由に匿名で、両者の話し合いが前向きなものだったと述べた。

  世界各国・地域が米新政権にどのように影響を与えるか頭を悩ます中、中国はトランプ大統領の家族に直接アプローチする手法を採った。米国務省などの従来型の外交チャンネルを避けることで、トランプ大統領側とのより直接的な関係構築を求め、貿易戦争や軍事衝突の回避につなげようとしている。

  父ブッシュ政権で国家安全保障会議(NSC)のアジア上級部長を務めたデニス・ワイルダー氏は中国のこの戦略について、ブッシュ大統領(当時)の家族に対して中国が行ったアプローチとの類似性を指摘する。ブッシュ氏は1970年代半ばに米代表として北京に駐在した経験があり、中国指導部との個人的なつながりを維持していた。

  ワイルダー氏は「ホワイトハウスと中南海(中国共産党指導部・政府の中枢)との非常に直接的なコミュニケーションが行われると予想している」と指摘。イバンカさんの中国大使館訪問は「トランプ大統領とその家族との個人的つながりを深め」、中国指導部を「大いに喜ばせた」と分析した。

原題:China Woos Ivanka, Jared Kushner to Smooth Ties With Trump (1)(抜粋)

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