ロンドンに拠点を置くグローバルバンクは、英国の欧州連合(EU)離脱後に1兆8000億ユーロ(約216兆円)相当の銀行資産を欧州大陸に移転する必要があると予想され、英国で最大3万人の雇用が失われるリスクがあるとブリュッセルを拠点とするシンクタンク、ブリューゲルが8日公表したリポートで指摘した。

  1兆8000億ユーロ相当の資産は、英国の銀行システムの資産全体の17%に相当する。市場参加者との情報交換に基づくブリューゲルの分析によれば、ロンドンのホールセールバンキング業務の35%がEU内の顧客との取引と推定される。

  2019年と想定される英国のEU離脱に伴い、ロンドンの拠点からEU単一市場に属する他の国にシームレス(切れ目のない)なサービスを提供できるパスポート制度が終わる可能性が高く、金融機関はホールセールバンキング業務について他のEU諸国への移転を余儀なくされる見通しだ。

  アンドレ・サピル氏を中心とするブリューゲルの研究員らは「バックオフィス(事務処理部門)の多くがロンドンや世界の他の地域にとどまるとしても、少なくともEU27カ国に置かれる新たな事業体は、独立した取締役会と完全なシニアマネジメントチーム、シニアアカウントマネジャー、トレーダーが必要になる」と分析した。

  米銀JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)は「われわれが予想していたよりも多くの雇用の移転が行われることになりそうだ」と先月発言。英銀HSBCホールディングスのスチュアート・ガリバーCEOも、ロンドン投資銀行の収入の約20%相当を生み出す人員をパリに移す可能性があると述べていた。

原題:Brexit Risks 30,000 U.K. Jobs and 17% of Bank Assets, Study Says(抜粋)

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