8日の東京外国為替市場のドル・円相場は1ドル=112円台前半で推移。今週末に日米首脳会談を控える中、米10年国債利回りの低下などを背景に上値の重い展開が続いた。

  午後3時45分現在のドル・円は前日比ほぼ横ばいの112円35銭。朝方に112円54銭までドル高・円安に振れた後、一時112円04銭まで反落する場面が見られた。主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.1%高。

  ソシエテ・ジェネラル銀行東京支店の鈴木恭輔為替資金営業部長は、ドル・円について、「112円50銭をタッチしたタイミングで、輸出企業、実需の売りも出ているのではないか。今朝からそうした実需フローの売りも見えていた。112円に近いところで拾ってレンジでみている人が元々結構多くて、その下値の幅が111円中盤まで広がったのが現状」と説明した。その上で、「日米首脳会談までは様子見、こう着状態が続くだろう」と見込む。

  外務省によると、安倍晋三首相は9日から13日まで米国を訪問し、現地時間10日午後にトランプ米大統領と首脳会談を行う。会談後に共同記者会見、ワーキングランチが開かれる予定。市場では、通商政策や為替政策に関する言及があるかどうかに関心が集まっている。

  三菱UFJ信託銀行資金為替部為替市場課の一口義仁課長は、「ドル・円は動きづらい状況が続いている。結局、日米首相会談が終わるまでは分からないという感じ」と指摘。「仮にドル・円が今の局面で昨日の高値を抜けて113円を試すことがあっても、長続きしないで元に戻りそうな気がする。下値についても同様で、111円方向に行ってもすぐに戻りそう」と述べた。

  財務省がこの日発表した昨年12月の経常収支は、前年比18.3%増加の1兆1122億円の黒字となり、市場予想(1兆1833億円の黒字)を下回った。一方、米商務省が7日発表した12月の貿易赤字は前月比3.2%減の443億ドルとなり、市場予想(450億ドル)を下回った。

  大和証券の亀岡裕次チーフ為替アナリストは、「米貿易赤字は10月、11月と拡大した後だけに、拡大傾向は変わらず。日本は中国に次ぐ対米黒字国。日米首脳会談で日本に対して貿易不均衡是正を求めることはあり得る」と分析。ただ、「為替に関する議論が表立って出ることはないかもしれない。日本からは、国内景気・物価のために金融緩和をしているとの主張は変わらないだろう」と語った。

  8日の東京株式相場は反発。日経平均株価は前日比96円82銭(0.5%)高の1万9007円60銭で取引を終えた。終値での1万9000円台回復は5営業日ぶり。

  ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は、同連銀のウェブサイトに先週の連邦公開市場委員会(FOMC)で金利据え置きを支持した理由を説明した小論文を掲載し、「インフレに関する当局の責務はまだ果たせていない部分が若干ある。さらに完全雇用もまだ達成していない可能性がある」と指摘。「このことから、やや緩和的な金融政策はこれらのギャップを埋める上でなお適切だろう」と続けた。米金利先物動向に基づきブルームバーグが算出した利上げ予想確率によると、3月FOMCでの利上げの可能性は7日時点で24%程度にとどまっている。

円とドル
円とドル
Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  ユーロ・ドル相場は同時刻現在、0.1%安の1ユーロ=1.0672ドル。ドイツの12月の鉱工業生産指数が前月比3%低下と市場予想(0.3%上昇)を下回ったことなどを受けて、前日の海外時間には一時1.0656ドルと1月30日以来の水準までユーロ売りが進んだ。

  大和証の亀岡氏は、「フランスの政治リスクやドイツの経済指標が悪かったこともあり、ユーロ安。フランスとドイツの国債利回り格差が今までの水準を超えてきたのは、欧州の政治不安が高まっていることが背景」と述べた。

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