トランプ米大統領就任でファーストレディーとなったメラニア夫人が自身の高級ブランドを立ち上げて衣料品や靴、宝石、香水などを販売する機会を中傷記事によって奪われたとして、英紙デーリー・メールをオンラインで発行するメール・メディアを相手取り損害賠償などを求めてニューヨーク州地裁に6日提訴した。同紙は記事を撤回している。

ファーストレディーのメラニア夫人
ファーストレディーのメラニア夫人
Photographer: Daniel Acker/Bloomberg

  訴状でメラニア夫人は、記事によって自身の評判が「甚だしく傷つけられた」とし、原告である自分が「世界で最も多く撮影される女性の一人である時期に、複数年の契約を結べる大きな事業機会」を生かすことがほとんど不可能になったと主張。自身には「諸製品分野で幅広い商業ブランドを立ち上げるというまたとない、生涯に一度あるかないかの機会」があったとも付け加え、「アパレルやアクセサリー、靴、宝石、化粧品、ヘアケア・スキンケア製品、香水」を販売できたはずだったとしている。訴状によれば、少なくとも1億5000万ドル(約168億円)の賠償などを請求している。

  提訴は、公職に就きながらビジネスチャンスを追求した場合に生じる倫理上の問題をトランプ大統領とその一族が理解しているのかという疑問をあらためて浮上させた。メラニア夫人は当初、メリーランド州の裁判所に訴えていたが、原告には同州での提訴の権利はないとして判事はこれを先週退けた。

  ジョージ・W・ブッシュ政権でホワイトハウスの倫理担当弁護士を務めたリチャード・ペインター氏はメラニア夫人の訴えについて、「ファーストレディーとしての立場から得られるはずの金額を得られないから損害を受けたと確信している」とし、「大統領が自らの公務によって夫人に金銭的恩恵をもたらすことを許すのは、連邦政府職員の行動基準に明らかに違反している」と述べた。

  夫人が問題にしているのはデーリー・メールがウェブサイトに掲載した記事。1990年代にモデルをしていた経歴はエスコート嬢として働いていたことを隠すためのものだったとのうわさに基づくこの記事をめぐり、夫人は昨年9月にメール・メディアとブロガーのウェブスター・タープリー氏を相手取ってメリーランド州の裁判所に提訴。提訴は記事撤回後で、タープリー氏とは同氏が「和解金」支払いに同意したことで問題決着に至ったと、夫人の代理人チャールズ・ハーダー氏が7日明らかにした。

原題:Melania Trump Suit Says Article Hurt Chance to Make Millions (1)(抜粋)

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