ソフトバンクグループの株価は堅調で、一時2週間ぶりの日中上昇率となった。8日に発表した2016年10ー12月期の連結純利益は912億円と市場予想を下回ったが、国内通信事業が安定的に収益を上げていることが示された。

  ソフトバンク株は9日の取引で一時前日比3.4%高の8976円まで上昇、1月25日以来の日中上昇率となった。午前10時16分現在は2.9%高の8936円で取引されている。

  アナリスト4人の純利益予想平均は963億円だった。営業利益は2957億円で市場予想(2641億円)を上回った。売上高は2兆3096億円(市場予想2兆3011億円)。今期予想は開示していないが、国内通信のフリーキャッシュフローについては従来予想の5000億円を5500億円に上方修正した。

  事業拡大へ向け、孫正義社長は投資攻勢を強めている。昨年12月には就任前のトランプ米大統領と面会し、米国に500億ドル(約5兆7000億円)を投資して5万人の雇用を創出すると約束した。テクノロジー分野への投資拡大を目指して1000億ドル規模となる可能性のある投資ファンドを設立するとも発表しており、総額約240億ポンド(約3兆3000億円)で買収した英半導体設計会社アーム・ホールディングスに続く投資が見込まれる。

  孫社長は8日の記者会見で、投資ファンドについて「設立の準備はかなり進ちょくし、終盤に入った」と説明、投資先の20-40%の株式を保有して筆頭株主になる考えを示した。米携帯電話子会社、スプリントの再建の一環で検討した同業TモバイルUSの買収に関しては「買収一辺倒ではない」とし、スプリントは「自力で利益を増大させる構えができた」こともあり、今後は「単独で走るのも選択肢の一つ」だと述べた。

グローバルで業容拡大

  野村証券の増野大作アナリストは決算後のリポートで、全セグメントの利益改善が確認でき、国内通信のキャッシュフロー計画も上方修正したことに加え、「グローバルベースで業容拡大が進む点が魅力」と指摘。株価は割安でバイレーティングを継続するとした。

  孫社長とトランプ大統領の面会を受け、米通信子会社スプリントを伴う業界再編観測が高まったことでソフトバンクの株価は上昇基調となり、一時、14年1月以来3年ぶりとなる9000円を突破した。事前に発表されたスプリントの10ー12月期業績は、契約者数と売上高が市場予想を上回ったものの、純損益は市場の予想以上の赤字だった。

  トランプ大統領について孫社長は「非常にざっくばらんにいろいろなことが本音で議論できる」と話した。その上で「大統領はさまざまな規制を緩和すると公言している。事業活動を行う意味ではやりやすくなる」と述べた。

最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE