8日の東京株式相場は反発。為替市場で円高の勢いがやや一服したほか、決算内容を好感する買いが株価指数を押し上げた。旭硝子、三菱ケミカルホールディングスなど業績評価銘柄が大きく上げた影響で、ガラスや化学など素材株が上昇。商社株、機械や輸送用機器など輸出株も高い。

  TOPIXの終値は前日比8ポイント(0.5%)高の1524.15、日経平均株価は96円82銭(0.5%)高の1万9007円60銭。日経平均は終値で5営業日ぶりに1万9000円を回復。

  アリアンツ・グローバル・インベスター ズ・ジャパンの寺尾和之最高投資責任者は、「世界景気は回復局面にあり、企業業績は来年度に向け良くなるという認識が根底にある」と指摘。米国の金利が上昇傾向にある中、「1ドル=111円台になっても加速度的に円高が進むような状態ではなく、業績の下振れ懸念は乏しい」と言う。日米首脳会談のリスクも市場はかなり織り込んでいるとし、「リスクが顕在化しなければ、好感される可能性は高い」との見方も示した。

東証内
東証内
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  10日に日米首脳会談が接近する中、この日の為替市場ではドル・円相場がおおむね1ドル=112円台前半で推移し、7日の日本株終了時点111円82銭からはドル高・円安方向に振れた。ゴールドマン・サックス・グループは、フランス大統領選挙では極右・国民戦線党首のルペン氏が決選投票に進む見込みだが、勝利する可能性は低いと分析。過度な欧州政治リスクへの警戒も和らいでいる。

  SMBC日興証券投資情報部の太田千尋部長は、「為替の円高が進まなかったことや個別で良い決算が出ていることはプラス材料。1ドル=112円近辺なら来期も増益は可能だろう」と話した。きょうの日本株は反発して始まった後に失速、不安定な為替をにらみつつ、午前はマイナス圏で取引を終えたが、午後に入り持ち直した。相場全般を下支えしたのが決算評価銘柄の強い動きだ。2017年12月期の営業利益計画が市場予想を上回り、株主還元拡大策も打ち出した旭硝子が急騰。17年3月期の営業利益計画を増額した三菱ケミH、大陽日酸も大幅高となった。

  もっとも、様子見姿勢の強さから東証1部の売買代金は7営業日ぶりに2兆円割れ。岡三オンライン証券の伊藤嘉洋チーフストラテジストは、「為替や米国株に一喜一憂している。日米首脳会談の結果待ち」とし、トランプ米大統領の企業寄り政策と保護主義政策の綱引きから日本株は先週からの調整局面の中にある、とみる。

  東証1部33業種はガラス・土石製品や卸売、不動産、ゴム製品、化学、機械、輸送用機器など25業種が上昇。石油・石炭製品や鉱業、建設、情報・通信など8業種は下落。石油や鉱業は、7日のニューヨーク原油先物が1.6%安の1バレル=52.17ドルとほぼ2週ぶり安値を付けたことがマイナス材料になった。売買代金上位では三井物産やファナック、SCREENホールディングスが高い半面、17年12月期の営業利益計画が予想を下回ったクラレ、第3四半期は12%の営業減益だったNTTデータは安い。東証1部の売買高は16億4171万株、売買代金は1兆9826億円。値上がり銘柄数は1287、値下がりは585。

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