債券市場では超長期債相場が下落した。30年債入札への警戒感に加え、日本銀行の超長期ゾーンの国債買い入れオペ運営に対する不透明感を背景に売りが優勢となった。一方、長期ゾーンの国債買いオペが3回連続で実施されたが、応札倍率は下がらなかった。

  現物債市場の新発20年物国債159回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値より一時1ベーシスポイント(bp)高い0.725%を付けた。30年物53回債利回りは0.91%、40年物9回債利回りは1.065%と、いずれも新発として昨年2月以来の高水準を付けた。

  みずほ証券の辻宏樹マーケットアナリストは、「超長期債は30年入札を控えて上値が重い。利回り曲線のスティープ(傾斜)化が進み、利回り水準もいいところにきたが、長期ゾーンほど日銀のスタンスも明確でない」と指摘。一方、長期債のオペは「10年金利を0.1%で抑えたい姿勢は分かった。指し値も含め2兆円超に達し、需給に反映されてくる」との見方を示した。

  長期金利の指標となる新発10年物国債345回債利回りは0.5bp高い0.100%を何度か付けた後、0.095%で推移している。

先物は小幅高

  長期国債先物市場で中心限月3月物は前日比4銭安の149円62銭で取引開始。午前の日銀金融調節通知を受けて149円73銭まで買われる場面も見られた。午後は前日終値を挟んでもみ合った後、結局は6銭高の149円72銭で引けた。

  財務省が8日公表した1月中の対外・対内証券売買契約によると、対外中長期債投資は1兆6210億円の売り越しとなり、昨年12月に続いて売り越しが1兆円を超えた。メリルリンチ日本証券の大崎秀一チーフ金利ストラテジストは、「本邦投資家はトランプ勝利以降の米金利上昇で損切りの動きが示された。30年債利回りで1%が視野に入る中、ヘッジ付きの米10年債対比で魅力的になってくる可能性もある」と言う。

国債買い入れオペと日銀の主な意見 

日本銀行本店
日本銀行本店
Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  日銀はこの日午前の金融調節で、残存期間「1年超3年以下」、「3年超5年以下」、「5年超10年以下」、物価連動債を対象とした国債買い入れオペを実施した。買い入れ額はいずれも前回と同額。「5年超10年以下」は3日以降、4500億円で3回連続の実施となり、3日の指し値オペの落札額7239億円も合わせると、総額2兆700億円程度に達した。応札倍率は2.92倍と、前回の2.90倍からほぼ横ばいだった。

  野村証券の中島武信クオンツ・アナリストは、「指し値オペを二度と打ちたくないので、オペを連続で打ちながら、スケジュールを考えると7回の可能性も意識されてくる」と指摘する。一方、「これぐらいしか金利が下がらず、また指し値オペの水準まで上がるリスクが十分ある。今日の値動きは日銀にとっては不本意」との見方を示した。

  日銀は1月30、31の金融政策決定会合の「主な意見」を公表した。金融政策運営については「執行部に一定の裁量を持たせ、きめ細かな調節運営を行うことが重要」と指摘される一方、「最適なイールドカーブの形状は適度にスティープであるべきだ」との意見が出ていた。

  メリルリンチ日本証の大崎氏は、日銀のイールドカーブ・コントロールについて「超長期の金利上昇については、対10年金利とのスプレッドがどこまでも開いていくわけでもないため、10年金利を抑えることを重視しているのではないか」とみている。

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